かまぼこの老舗、鈴廣かまぼこに行ってみた!【Vol.1】

お正月の定番、かまぼこ。
紅白のおめでたい色と、半月状の形が初日の出に似ていることからおせちに入れるようになりました。

実は、かまぼこは普段使いにもおすすめです。
魚のたんぱく質を豊富に含み、製造過程でより吸収されやすいタンパク質に変性するため、子どもの食事にもぴったり。

今回、「鈴廣のかまぼこ」にお邪魔し、工場取材&かまぼこ作りを体験してきました!

鈴廣かまぼこってどんな会社?

神奈川県小田原市に本社を置く鈴廣かまぼこ。
かまぼこを作り続けて159年、江戸時代から続く老舗メーカーです。

鈴廣かまぼこでは「食するとは生命(いのち)をいただき、生命(いのち)をうつしかえること」という言葉を大事にしています。
魚の命をいただき、人間が生きる源に作り替えていく、それはまさに命のリレーです。

だからその命の力を、ゆがめることなくダイレクトに食べる人に届けたい。
そんな思いから、化学調味料(※)や保存料に頼らず、天然素材のみでかまぼこを作っています。

※「化学調味料」は「調味料(アミノ酸等)」を端的に伝える用語として使用しています。

鈴廣かまぼこに「かまぼこ職人」がいる?

鈴廣かまぼこは、江戸時代からの伝統的なかまぼこ作りを今なお継承しています。
その技術の継承者は社内で「かまぼこ職人」と呼ばれ、現在は50人在籍。

かまぼこ職人の称号を得るには、水産練り製品製造技能士という国家資格(※2級は県の資格)を取得しなければなりません。

試験は、魚のさばき方からかまぼこ、なると、ちくわなどを製造する実技試験と、おいしい弾力や食感を生み出すための原理原則を問う学科試験が実施される超難関。
機械製造が主となった今でも、かまぼこ職人が都度調整しながら生産しているそうです。

循環型社会への取り組み

鈴廣かまぼこでは、循環型社会への取り組みを行っています。

たとえば、かまぼこ作りの際に残滓として出てしまう魚のアラと、自社工場で作るビールの搾りかすを使った肥料作り。
この肥料を地元のお米作り、柑橘類やしその栽培に役立てているそうです。

また、森林間伐など森を守る活動にも積極的に取り組んでいます。
森の水は河川を通して海に流れるもの。

かまぼこの原材料となる魚が暮らす豊かな海を守ることが目的です。  

鈴廣かまぼこの商品

アイチョイスで扱っている鈴廣かまぼこ商品をご紹介します。

小田原っ子白

別名「小さな本物」。

伝統的なかまぼこのおいしさ、弾力、製造工程などを引き継ぎながらも、食べきりサイズで普段使いしやすいかまぼこを目指し開発されました。

52年前から続くベストセラー商品で、アイチョイスで扱う鈴廣かまぼこ商品の中では一番人気です。

おいしい厚さに切れてる板わさ

おいしさの秘密はかまぼこの厚み!

鈴廣かまぼこの研究により、魚の弾力、食感、旨みがバランスよく味わえるのは12mmだと判明したそう。
そのベストな厚み12mmにあらかじめカットされているので、おいしいかまぼこがそのまま食べられます。

しそかをり巻

魚の旨みがつまったかまぼこに、爽やかなしその風味が香る一品。
原材料に使われているしそは、自社製の肥料で栽培したもの。
命をできるだけ無駄にしない、そんな思いも込められています。

その他にも、かまぼこの中にチーズや明太子マヨが入った『ぷちやきかまシリーズ』や、タカラトミー社とコラボしたかまぼこ『トミカパトロールカー』、まるでカステラのような食感の『海のすふれ』などがあります。

鈴廣かまぼこ作りに挑戦してみた!

今回、みっくすなっつ編集部のもえぞーとあかにーが鈴廣かまぼこにお邪魔し、工場見学とかまぼこ作りを体験してきました!

かまぼこ作りは大きく分けるとすり身作り・成型・蒸しの工程に分けられます。
まずは、鈴廣かまぼこのこだわりとともに、製造工程を紹介しますね。

すり身作り&練り

かまぼこは旨みが強いグチやタラをメインに、種類ごとにブロック状に分けられた冷凍のすり身を、フレーク状にし機械で練ります。

季節によって大きさ、獲れる魚の種類、産卵期などによる身質が変わってくるので、おいしいかまぼこのために調整が必要です。

鈴廣かまぼこでは、品質を守る専門部署が直接工場に赴き、魚の処理の仕方や魚の種類を指示。
そうしていつでも変わらないおいしさを保っているそうです。

成型

ブレンドされたすり身は、板の上に絞られていきます。

しぼり口が3層構造になっていて、上掛け(かまぼこの表面)はつやを出すため原材料が調整されています。
三層構造にすることで、職人の手技を再現した鈴廣かまぼこ自慢の弾力を作っているんです。

蒸し

最後はかまぼこ作りで最も重要な蒸しの工程。
加熱し冷却される中で、かまぼこの状態は変化していきます。

鈴廣かまぼこでは「坐り(すわり)」という弾力が生まれる温度帯の調整を、毎日職人がコントロールしています。

「坐り」の時間は季節やすり身の状態によって異なるので、細かな調整は、かまぼこ職人の腕の見せどころです。
加熱した後温度が下がって60℃付近になると、今度は一時的に弾力が落ちやすくなり、これを「戻り(もどり)」と言います。

この「戻り」の時間を短くして弾力をキープすることも重要だそうです。

次回、かまぼこ作りに挑戦!

鈴廣かまぼこのこだわりを感じていただけましたか?
魚は非常にデリケートで、かまぼこ作りには0.1℃の温度調整、0.1%の水分調整が必要です。

見た目、手で触ったときの感触、食感、味など五感を使って、かまぼこ職人たちはわずかに作り方を変えていきます。

機械で表示された数値ではなく、本当に人がおいしいと感じるか。
それを一番重要視しているからこそ、鈴廣かまぼこは職人による伝統的なかまぼこ作りを大切にしているのです。

鈴廣かまぼこがはじめての方は、記事の中でも紹介した『小田原っ子 白』をぜひ食べてみてください。
まず感じるのが鈴廣かまぼこ自慢の弾力で、他のかまぼことの違いに驚かされます。

そして魚の旨みが口の中に広がり、まるで刺身を食べているかのよう。
旨みが強いので、醤油無しでも十分おいしくいただけますよ。

次回はついに、あかにーともえぞーがかまぼこ作りに挑戦します。
体験したのは成型の工程で、実際にかまぼこ板にすり身を塗りつける作業をしました。

次回もお楽しみに~!

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編集担当たまみ

みっくすなっつの編集長。2022年にアイチョイスに入協、30代、夫と2人暮らし。
編集長のクセに、実は料理は苦手。
商品部のバイヤーに聞いたアイチョイスの美味しいものを試すのが大好き。
最近家庭菜園を始めました。もえぞー先生に色々教わっています。
ナッツは香ばしいクルミが好き。