投稿日2025.2.14
取材日2024.9.13
愛知県で数少ない舞茸農家!霧の里きのこ園に行ってみた!
炊き込みご飯や鍋など、多彩な料理で楽しめる「舞茸」。
香りと旨みの豊かさ、歯ごたえのよさは絶品ですよね。
舞茸の旬である9月半ばに、ちえまるが「霧の里きのこ園」へ取材に伺いました。
組合員さんからうれしいクチコミが多数届く、舞茸のおいしさの秘密とは?
今回は舞茸ができるまでの流れを見学させてもらいました。
目次
「霧の里きのこ園」ってどんな農家さん?

「霧の里きのこ園」は、愛知県豊田市で舞茸を栽培しているきのこ農家さんです。
これまでアイチョイスのカタログでは、中垣さんが代表を務める「中垣きの子園」の舞茸として取り扱っていました。
2024年から中垣さんの知人である近藤さんに事業を引き継ぎ、名称を「霧の里きのこ園」に変更しています。
もともと「体によい食べ物を自分で栽培してみたい」と考えていた中垣さん。
当時、栽培方法が確立しておらず、難しいとされていた舞茸に興味を持ったのだとか。
競合相手が少なく、小さな栽培面積で作れることをきっかけに舞茸栽培を始めました。
中垣さんは近藤さんに事業を引き継いだ今も、従業員として舞茸栽培に携わっています。
新代表の近藤さんも中垣さんが作る舞茸の味を大切にしたいとの想いで、舞茸栽培を勉強中なのだそう◎
「霧の里きのこ園」が栽培する舞茸のこだわり
おいしさの秘訣は「自然に近い生育環境」

「霧の里きのこ園」が育てた舞茸の特徴は、自然に近い生育環境です。
「できる限り余計なものを入れたくない」と語る中垣さん。
収量を増やせる「増収剤」や、菌の生長を促進して品質・収量を向上させる「栄養剤」は一切使っていません。
安全性を第一に舞茸本来の生長スピードに合わせて育てるため、収量は少なめです。
しかし、だからこそ際立つのが香りのよさと噛みごたえのある食感。
旨みもぎゅっと濃縮されており、「おいしい」と組合員さんからも好評なんです◎
中部圏内の資材を使用して“地産地消”


舞茸を育てる土台を培地(ばいち)といいます。
「霧の里きのこ園」で使われる培地の資材は、おが粉と麦殻(ふすま)のみ。
有機物にとうもろこしの芯を加えて栽培する方法が多い中、「霧の里きのこ園」ではシンプルな資材のみで作るのがこだわりです。
国内産100%の資材を使用し、あんしんして食べられる舞茸を作り続けています。
できる限り中部圏内で資材を仕入れて、地産地消に取り組んでいるのだとか。
「霧の里きのこ園」に行ってみた!

今回、みっくすなっつ編集部のちえまるが「霧の里きのこ園」へお邪魔しました。
なんと、実際に舞茸が作られる過程を見せてもらえることに!
「霧の里きのこ園」では、人工的に作られた培地に菌を植え付けて室内で管理する「菌床栽培」で舞茸を生産しています。
長年の経験がなせる培地づくり

まずは機械におが粉・麦殻(ふすま)・水分を入れて混ぜ、舞茸栽培の土台となる培地づくりをおこないます。
培地づくりで重要なのが水分調整。
培地の水分が適正でないと、菌の生育や収量に悪影響を及ぼす可能性があります。
中垣さんは手で持ったときの重量感で見極めているそう。
「軽いからもう少し水を足そう」「これはちょうどよい重さだからいいかな」と、培地に適した水分量が感覚的にわかるとおっしゃっていました。
長年の経験がなせる職人技です!
培地は2~3日に1回、2000本作成

水分調整した培地はビンに詰めて殺菌棚へ入れ、100℃で約6時間、蒸気殺菌します。
作業は2~3日の1回のペースでおこなっているそうで、その数は約2000本!
1日あたり、約660~1000個のペースで詰めていることになります。
時期に応じて舞茸の需要も変わるため、培地を詰めるビン数は調整しているとのこと。
取材へ伺った9月半ばは、ちょうど繁忙期真っ只中。
積み上げられた膨大なビン数に驚きを隠せませんでした・・・!
生育状況に応じて温度管理を徹底

舞茸を作るうえで、温度管理は重要なカギ。
各成長段階に応じて、適切な温度を維持した部屋に移動させます。
ビンに菌を植え付けた後に移動させるのは、温度が25℃に保たれた通称「春の部屋」。
第一培養と呼ばれ、菌がいちばん活発に成長する部屋です。
春の部屋にあるビンの中身を見せてもらうと、白いふわふわが!
培地が白くなってくると、菌がしっかり回っている合図なのだそうです◎
収穫後の培地は土壌改良剤として再利用

接種から発生までの期間は約30日、発生から収穫までの期間は約15日で一般的に見る大きさへ成長。
舞茸の傘が6~8割程度開いたら、収穫のタイミングです。
中垣さんから収穫方法を教えてもらい、ちえまるも収穫に初挑戦してみました。
収穫のコツは、株ごとビンから抜くようにゆっくり取ることだそう。
はじめはちゃんと取れるか心配でしたが、無事に収穫できてホッ。
なお「霧の里きのこ園」では、これまで収穫後のビンに残った培地を農家さんに寄付して、土壌改良剤として再利用していたそうです◎
「ほしい農家さんがいたらぜひ役立ててほしいな」と話されていました。
舞茸を栽培する中垣さんと近藤さんに聞いてみた!

(左)中垣さん
(右)近藤さん
「霧の里きのこ園」のお2人。
中垣さんは舞茸栽培をはじめて30年の大ベテランです!
近藤さんは「霧の里きのこ園」の新代表になって2か月目。
今は経理の仕事を中心にされています。
舞茸栽培で気を付けていること


ちえまる
1番気を付けているのは、舞茸を育てる部屋の掃除。
ビンの中に雑菌が入ると舞茸が育たなくなってしまうので、掃除はマメにおこなっています。
また、舞茸の生育には温度管理がとても重要です。
生育状況に合わせて移動させるすべての部屋の温度・湿度は、徹底して管理していますよ。

中垣さん
舞茸おすすめの食べ方


ちえまる
おすすめの舞茸の食べ方はありますか?
和洋中、どんな料理にも合うかなと思います。
ぼくが好きなのは、味噌味の「回鍋肉」。
舞茸・キャベツ・豚肉と味噌が結構合うので、よく食べています。
これからの季節は鍋物でもおいしくいただけますよ。

中垣さん
ぼくは「鮭のホイル焼き」ですね。
中垣さんが栽培した舞茸で作るのがとてもおいしい!
舞茸・野菜・鮭をホイルに包んで焼くだけなので、自宅はもちろん、バーベキューにもおすすめです。

近藤さん
組合員さんへのメッセージ

ちえまる
組合員さんへのメッセージをお願いします。
中垣さんの長年の経験から生まれたおいしい舞茸です。
煮たり焼いたりとバリエーションも豊富。
使い勝手のよい舞茸をさまざまな料理で楽しめます。
毎日丹精込めて作っていますので、ぜひご家庭で食べてみてくださいね。

近藤さん
変わらぬ舞茸の味をこれからも届け続けたい

「おいしいの基準は人それぞれちがうからね」。
そう謙虚に話す中垣さんの舞茸は、まさに一品級です。
取材したちえまるもおすすめされた「鮭のホイル焼き」で舞茸を味わってみてびっくり!
「舞茸の香りや旨みが強く、鮭やほかの野菜に負けない存在感!」と絶賛の嵐でした。
あんしんして食べられる舞茸を組合員さんへ届けることが第一。
その想いや栽培方法、おいしさはこれからも変わりません。
「舞茸栽培に、なにひとつ簡単なことはないと実感しています」と語る近藤さんの言葉からは、毎日必死に学ばれていることが伝わりました。
今後は中垣さんが新代表の近藤さんに指導しながら栽培し、皆様にお届けする予定です。
冷え込みが続く今の季節、まだまだ舞茸をおいしく食べられます。
中垣さんや近藤さんがおすすめする食べ方はもちろん、さまざまな料理で「霧の里きのこ園」の舞茸を味わってみてください◎

編集担当あかにー
2023年にアイチョイス入協。沖縄出身の30代。
恋人・フェレット3匹・ハムスター2匹・犬1匹・猫1匹の大家族。
製菓学校卒業後はパティシエやバリスタとして7年勤めていました。
最近はアイチョイスの食材を使ったお菓子づくりにハマり中。
ナッツは、カフェラテと相性抜群のアーモンドが好き。
舞茸を育てるうえで気を付けていることはありますか?