自然派Styleのパンを作るコープブレッドファームに行ってみた!【Vol.1】

兵庫県神戸市に本工場をかまえる「コープブレッドファーム」。
ここはアイチョイスのプライベートブランド「自然派Style」のパン工場です。

『自然派Styleコウノトリの未来』や『自然派Style角食北海道ミルクパン』をはじめとした、パンを取り扱っています。

今回は、もえぞーが「コープブレッドファーム」にお邪魔してきました!

コープブレッドファームってどんな会社?

コープ食材(富加工場)の一角にコープブレッドファーム(富加)があります

『自然派Styleコウノトリの未来』『自然派Style角食北海道ミルクパン』などの食パンでお馴染みのコープブレッドファーム。
従業員数は87名、24時間稼働でパンを作っています。

製造工場は全部で5か所。
神戸本工場に加えて、徳島・京都・奈良・富加(岐阜)に工場をかまえています。

コープブレッドファームが作るパンのこだわり

国産小麦を使用したパンづくり

日本の国産小麦の収穫量は95万トンで輸入量のたったの15%。
貴重な国産小麦を使用したパンや、国産小麦のうち約0.1%しか存在しない国産有機小麦を使った、有機JAS認定のパンを作っているのが最大の特徴です。

輸入小麦の中には、収穫直前に農薬散布されているものも。
作物を枯らすことで乾燥効率を上げ、収穫をスムーズにする農薬散布を「プレハーベスト」といいます。

輸入小麦を使った食パンから、収穫直前に使用されたプレハーベストの「グリホサート(※)」が高い検出率で残留していたことが確認されました。
国産小麦はプレハーベストが認められていないので、その心配がありません。

組合員さんがあんしんして食べられるパンづくりに力を入れているのです。

※グリホサート・・・除草剤の成分の一種。プレハーベスト処理としても使用される。

参考:その9:小麦の自給率|農林水産省,(参照2025-03-21)

パンでも“お米”を食べる取り組み

コープブレッドファームのパンは「パンでもお米を食べよう」がコンセプト。
国産小麦に加え、すべてのパン生地に米粉を配合しているんです。

兵庫県豊岡市でおこなわれるコウノトリの野生復帰事業を応援するため、但馬地域の『コウノトリ育むお米』の米粉を配合しています。
その代表商品が『自然派Style山食コウノトリの未来』です。

パンを通じて、コウノトリをはじめとする多様な生きものと共生できる社会を目指しています。

あんしんの食品添加物不使用

コープブレッドファームで作るパンは、生産効率を上げられるイーストフードや乳化剤などの食品添加物を使っていません。
生産効率よりも、組合員さんのあんしんな食生活を第一に考えています。

また、食品添加物を使用しないパンはとてもデリケートです。
大切な工程は機械を使わず、すべて手作業でおこなっています。

シンプルな原材料だけでパンを作ることは決して簡単ではありませんが、日々安定した品質を保ってお届けできるよう努めているのです。

コープブレッドファームの製造現場に行ってみた!

今回もえぞーが取材させてもらったのは、コープブレッドファーム神戸本工場。
コープブレッドファーム取締役生産管理部長の岩田さんに製造現場を案内してもらいました。

職人技が光るパン生地づくり

まずおこなうのが、生地のミキシングです。
機械の中に、小麦粉・米粉・よつ葉乳業のバター・イースト・砂糖・塩・卵・水・よつ葉の牛乳を入れてこねます。

機械の中に入っている粉量は、おおよそ90kg。
牛乳などを合わせると総重量は倍の180kgになるため、取り出すのも一苦労です。

パンの種類によってこねる時間は変動し、今回は10分×2回の設定でした。
しかし、これは目安でしかありません。

生地がまとまり始め、仕上げはちょうどよいタイミングを目で見て判断するのだとか。
「ここだ!」というピンポイントのところで、サッと止める職人技はお見事でした。

発酵工程で変わるパンのおいしさ

一次発酵前
一次発酵後

パンのおいしさを引き出すのに発酵は欠かせません。
発酵工程は「一次発酵」と「二次発酵」の2つ。
どちらも大切な工程で、パンづくりの中でも1番難しいのだそう。

一次発酵の目的は、イースト菌によりガスを発生させて膨らませ、生地をふんわりやわらかくすること。
室温(24℃)で60分間、発酵させます。

生地に指を刺してみて、形が残ればOK。
発酵した生地は1.5倍くらいに膨らんでいました。

成型したパンは二次発酵のため、ホイロと呼ばれる機械の中へ。
二次発酵とは、もう一度ガスを発生させ、パンを膨らませる焼成前の最終段階です。

ホイロで見たパンは、温度33℃、湿度70%の環境で1時間ほど発酵させていました。
二次発酵後、パンが2倍の大きさに!
なお、ホイロ内の温度・湿度・時間はパンの種類によって異なるそうです。

二次発酵が終わったら焼成して、パンが焼き上がるのを待ちます。

手早く型からパンを出して腰折れ防止

焼き上がったパンの工程では、食パンを手早く型から抜き出す職員さんの姿が。
食パンなど大型のパンは、焼成後に手早く型から抜く作業が命。

型に入れたまま長時間置いておくと「腰折れ(ケービング)」してしまいます。
腰折れとは、パンの上部や側面がへこんでしまう現象のこと。

焼き上がったパンから出た水蒸気を再度パンが吸収して、やわらかくなってしまうからなのだそう。

型は重くて熱いのにもかかわらず、慣れた様子でパパっと型から抜き取っていました。

丁寧に梱包して組合員さんのもとへ

焼き上がったパンを冷却させたら、梱包します。
私たちが見たラインでは、ちょうど『自然派Styleテーブルロール』の梱包の真っ最中。

テーブルロールは梱包する前に手作業で選別していました。
一つひとつが繋がっていないか、焼き色は揃っているか、形が悪くないか等を判断します。
最後は金属探知機を通り、6個ずつ機械で梱包して組合員さんのもとへ。

焼き上がったあとも大切な工程はすべて手作業。
だからこそ、品質のよいパンをお届けできるのですね。

次回、さらにおいしくなったパンの秘密を教えちゃいます!

シンプルな原材料のみでパンを作るのは決して簡単なことではありません。
機械だけに頼ってもうまく作れないため、そこには必ず人の手が加わっています。

日々試行錯誤しながらパンづくりに励んでいるからこそ、組合員さんから愛されるパンが生み出されているのですね。

コープブレッドファームのパンは日々進化中!
『自然派Style角食北海道ミルクパン』は、2024年9月にリニューアル。
何度も試作を重ね、時間が経っても「ふわふわ、しっとり」が続くパンに生まれ変わりました。

次回はそのおいしさの秘密をご紹介します。
コープブレッドファーム神戸本工場の岩田さんと、富加工場の小玉さんから聞いたおすすめパンも。

お楽しみに~!

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編集担当あかにー

2023年にアイチョイス入協。沖縄出身の30代。
恋人・フェレット3匹・ハムスター2匹・犬1匹・猫1匹の大家族。
製菓学校卒業後はパティシエやバリスタとして7年勤めていました。
最近はアイチョイスの食材を使ったお菓子づくりにハマり中。
ナッツは、カフェラテと相性抜群のアーモンドが好き。