ビオトープ米を育てる「知多の恵みグループ」へ、収穫体験に行ってみた!

「ビオトープ米プロジェクト」の最終イベント、収穫体験。
10月中旬、組合員さんと一緒に植えたお米を収穫できる日がやってきました。

7月末におこなわれた生育観察から2か月半、稲の様子はいかに・・・!
稲刈りから生産者さんとのセッションの様子まで、レポートしていきます!

ビオトープ米の収穫体験に行ってみた!

青木(あおき)さん、大岩(おおいわ)さん、杉浦(すぎうら)さん、岡部(おかべ)さん

「知多の恵みグループ」が育てるビオトープ米の収穫体験をおこなったのは10月中旬。今回、杉浦さんは挨拶のみの参加だったため青木さん、大岩さん、岡部さんの3人がレクチャーしてくれました!

それでは、8組の組合員さんと一緒に収穫体験スタートです。
まず、生育観察時から稲がどのように変化しているのか見てみましょう!

ビオトープ米の様子

生育観察から2か月半後の稲

6月に植えたときには青々としていたビオトープ米の苗ですが、秋になり黄金色に色づきました。
また、実の重さで稲穂が垂れ下がっていますね。

稲についた実の部分を籾(もみ)と言います。
収穫に最適なタイミングは、籾の色が全体の約90パーセント以上、黄金色に変化したとき。

稲が順調に育っているのは確認できましたが、田んぼに住む生き物たちのことも気になりますよね。

「知多の恵みグループ」では、機械で収穫しやすいよう稲刈り前には田んぼから水を抜いています。

しかし、田んぼの横のビオトープ池に水と生き物が流れていくような構造になっているため、生き物にとっても安心です。

ビオトープ池で見つけたカエル

鎌での稲刈り手順

普段の稲刈りはコンバインという機械を利用しますが、今回は鎌を使って収穫体験をおこないます。

青木さんから見本をみせてもらったあと、稲刈りスタート!
もちろん(みっくすなっつ)編集部も稲刈りを体験させてもらいましたよ。

はじめに、利き手ではないほうの手で稲の根元からこぶし1個分上の部分をつかみます。
稲の根元に鎌をあてて引くように動かし、稲を刈るのがコツです。
1株刈り取ったら、後ろに下がって次の稲を刈っていきます。

稲を刈り取るときは、必ず親指を上にしたグーの状態でつかむこと!
親指が下向きになっていると、稲を刈り取る際に親指をケガしてしまう可能性があるので、注意が必要です。

(みっくすなっつ)編集部もがんばって刈りますが、中腰のまま稲を刈り続けていたため、少しの作業でも精一杯。

今は機械を使って稲刈りができるものの、昔は鎌で刈るのが当たり前だったなんて・・・。

親子で協力して稲刈りをしている組合員さんをカメラでパシャリ。
仲よく稲刈りをする姿が微笑ましかったです◎

稲架掛け(はざかけ)とは?

「稲架掛け」とは、天日干しを利用した、昔ながらの乾燥方法です。
刈り取ったあとの稲は、腐敗を防ぐためにすぐに乾燥させなければなりません。

それによって、籾殻を外しやすくしたり、お米の貯蔵性を上げたりすることにもつながるのだそう。

「知多の恵みグループ」では通常「乾燥機」を利用していますが、今回は「稲架掛け」を体験させてもらいました!

稲架掛けのやり方

4~5株の稲を1束にまとめ、その中から3本稲を抜き取って縛ります。
縛ったあとに、稲をくるっと2回ほど内側に織り込むと崩れにくくなるそう!

束にし た稲を7:3に分けたあと、「稲木」と呼ばれる木を組んだものに引っ掛けて乾燥させます。

「稲木」に乗せるだけでは安定しないため、上からトントンと軽くたたき押し込むことが大切です。
1つの稲束を引っ掛けたら、同じようにほかの稲束も干していきます。

このとき、7:3で分けた稲束を交互に干すのがポイント!
交互に干すことで、稲束が倒れにくくなり、お米に風が通り乾きやすくなるのだとか。
そのまま2週間置いて稲を乾燥させるそうです。

乾燥させた稲束は、脱穀・ライスセンターでの再度乾燥・精米の工程を杉浦さんがおこない、みなさんのもとへビオトープ米が運ばれます。

組合員さんからの質問

田植え・生育観察・収穫と全3回の「ビオトープ米プロジェクト」も、これで終了です。
最後に組合員さんから「知多の恵みグループ」のみなさんへ質問コーナーが!
普段なかなか聞けない、農業のお話について聞くことができましたよ◎

農業をやっていてよかったこと・大変なこと

組合員さん

農業をやっていて、よかったことや大変なことを教えてください。

農業をやっていてよかったことは、自分が作った作物を食べてもらって、喜んでもらえているのがダイレクトに見えるところ。

そのとき「農業をやっていてよかった」と感じますし、収穫のタイミングごとに「がんばろう」と思えますね。

大変なことは、作物に病気がでると一気に広がってしまい、出荷量が減ってしまうところです。

しかし、こうやってみなさんが田んぼにきてくれて楽しそうにしている姿を見ると、僕たちが農業をやっているだけでも価値があるように感じています。

これからどんどん人がこられるような、田んぼや畑にしていきたいなと思っていますよ。

青木さん

ビオトープ米生産者、杉浦さんに聞いてみた!

杉浦農園 杉浦大地(すぎうらだいち)さん

今年のお米のでき具合

編集部

今年のお米のでき具合はどうでしたか?

生育自体は、しっかりできていましたよ。
稲穂の実り具合に関しても、全体的に見ると昨年より良くなっていますね。

ただ、秋口からカメムシによる被害が多くなってしまいました。

今年は、カメムシの被害が「知多の恵みグループ」だけでなく、さまざまなところで発生しているそうです。

ビオトープ米は、カメムシを防除する農薬、いわゆる「ネオニコチノイド系農薬」などは使えないんですよね。

今年のようにカメムシが大量発生してしまうと、どのように対応していくべきかの判断がむずかしいなと感じています。

杉浦さん

来年度の改善点

編集部

今年度のビオトープ米をふまえて、来年の改善点などはありますか?

カメムシなどの発生を抑えるための対応を、先んじてやっていきたいなと思っています。

田んぼを囲う土手際の草刈りをしたり、「ぼた焼き」をしてカメムシの卵を少なくしたりなどを心がけていきたいですね。

杉浦さん

組合員さんにメッセージ

編集部

最後に組合員さんへ、メッセージをお願いします!

今年度のお米も「知多の恵みグループ」の4人の生産者が、がんばって作らせていただきました。

新米からぜひ、お米の味を楽しんでいただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします!

杉浦さん

これからもビオトープ米を応援しよう!

沖縄県という土地がら、小さなころからお米を育てることに縁のなかった私。
お米は「当たり前に食べられる主食」であり、どのように育っているのかまったく知りませんでした。

それが大人になり、アイチョイスへ入協して「ビオトープ米プロジェクト」への参加をきっかけに、田植えから収穫まで体験できることに。

なにもかもが未知だった私は、田植え・生育観察・収穫のすべてに参加。
そのたびに、当たり前が当たり前ではないのだと気づかされたことを鮮明に覚えています。

そして今回ビオトープ米を通して、ビオトープ米を育てる目的や、育てることによって目指していきたい未来・その苦労について知ることができました。

私が1番の衝撃を受けたのは「農薬を極力使わない栽培のむずかしさ」。
有機の田んぼを増やすために極力農薬を使わない努力をしている反面、多くの雑草やカメムシの被害が相ついでしまいました。

この光景を目の当たりにし、「今年のビオトープ米は順調に育つのだろうか」と不安になったことを思い出します。

しかし、生産者さんたちの努力の甲斐あって、収穫時には力強く育った黄金色の稲を見て感動しました。
同時に、日々ビオトープ米を見守り育ててくれた生産者さんには頭が上がりません。

アイチョイスでは、来年度も「ビオトープ米プロジェクト」に取り組む予定です。
有機の田んぼを今後も増やしていけるよう、ビオトープ米を応援していきましょう!

ビオトープ米の収穫体験に関する動画はこちら

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編集担当あかにー

2023年にアイチョイス入協。沖縄出身の30代。
恋人・フェレット3匹・ハムスター2匹・犬1匹・猫1匹の大家族。
製菓学校卒業後はパティシエやバリスタとして7年勤めていました。
最近はアイチョイスの食材を使ったお菓子づくりにハマり中。
ナッツは、カフェラテと相性抜群のアーモンドが好き。