免疫を考えた食生活に有機野菜を!オーガニックと抗酸化力とのつながりとは

有機野菜はバランスのよい土壌環境で育つため、より栄養素が豊富な野菜に育つ可能性があります。

野菜のなかには、免疫力のサポートが期待できる抗酸化力を持つ栄養素も含まれるため、食生活に配慮している方は、有機野菜が気になっているのでは?

有機野菜と免疫力と抗酸化力について知れば、あなたの今後の野菜選びに役立ちますよ!

有機野菜とは?わかりやすく解説します

有機野菜とは、化学的に合成された肥料や農薬を使わず、自然の力を活かして育てる有機栽培で作られた野菜のこと。

バランスのよい生態系が構築されており、それらの虫などを餌とする動物が集まって来るのが特徴で、生物多様性が保たれ、持続可能な農業に繋がるといわれているのです。

有機野菜として扱う際の条件や無農薬野菜・オーガニック野菜との違いについて解説します。

有機野菜は有機JAS認証を受けた安全性の高い野菜

有機野菜とは、農林水産省が定めた「有機JAS認証」を受けた野菜のこと。

有機JAS認証を受けるには、化学肥料や農薬を使用せず、自然の力を活かした有機栽培で野菜を育てる必要があります。

また生産者は農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いなければなりません。
生産者はたい肥や地域の未利用資源を利用するなどの工夫を重ねています。

このように、化学肥料や農薬を使わずに有機栽培で育てるからこそ、とくに健康志向の高い消費者は安心して野菜を選べるようになるのです。

有機野菜は、食事で免疫力を高めた健康的な生活を目指す家族にとって、よい選択肢となるのではないでしょうか。

参考:有機食品の検査認証制度|農林水産省
有機食品の検査認証制度:農林水産省 (maff.go.jp),(参照2024-08-02)

有機野菜・無農薬野菜・オーガニック野菜の違い

有機野菜とオーガニック野菜は、同じ意味で使われるため違いはありません。
一方で、無農薬野菜とは混同されがちですが以下のような明確な違いがあります。

以上のような違いを正しく理解して、自分に合った野菜を選ぶようにしましょう。

※「無農薬」という表記は2007年に農林水産省の表示のガイドラインにより、使用ができなくなっています。
わかりやすくするために、本記事では使用していますが、アイチョイスの商品には農薬不使用という文言で表記を統一しています。

有機野菜が免疫力に効果的な理由は抗酸化力?

抗酸化力とは、細胞や組織を傷つける活性酸素を抑え、細胞の酸化を防ぎ、健康を維持するのに重要な抗酸化物質の働きのことです。

免疫力とは、体内に侵入してくるウィルスや病原菌を防いだり、体内で発生する異常な細胞を抑制したりして、健康を維持しようと体を守ってくれる力のことをいいます。

有機野菜は免疫力アップに効果があるというハッキリとした科学的根拠はまだありません。
しかし、免疫力をサポートする抗酸化力であれば、有機野菜との関係性は無視できないという論文も。

有機野菜と免疫力をサポートする抗酸化力とはどのような関係性があるのでしょうか。
論文などを引用しながら、有機野菜にどのような効果があるのかを解説していきます。

有機野菜が免疫力に効果的な科学的な理由

農林水産省が出している「株式会社しあわせ野菜畑」の調査では、

メディカル青果物研究所による成分分析では、調査した野菜には免疫力を高めるのに効果があるとされる抗酸化力が普通の野菜の平均値よりも高いとの診断が出ている。

と掲載されています。

引用:オーガニック野菜栽培による、生産直売の実現|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/attach/pdf/nouhou_tenkan-21.pdf,(参照2024-08-02)

別の農林水産省の資料では、「BLOF理論」という栄養バランスの取れた土壌で、作物本来の持つ「大きくなろうとする力」「栄養を蓄えようとする力」を引き出す栽培で作られた有機野菜だと、以下のような成果を出しているとの報告も。

 通常有機栽培の抗酸化力BLOF理論の有機栽培の抗酸化力
ブロッコリー4792
ほうれん草99227
小松菜62.4276

引用:BLOF理論による有機農業の実践|農林水産省
organic_village-53.pdf (maff.go.jp),(参照2024-08-02)

このデータから、一般的な有機栽培よりもBLOF理論での有機野菜の方が抗酸化力に期待ができ、健康維持をサポートできる可能性があるといえます。

免疫力サポートが期待できる抗酸化力を持つ有機野菜の栄養素

免疫力アップが期待できる抗酸化力を持つ主な栄養素は、以下のとおりです。

有機栽培では化学肥料を使わないため、個体差があるものの、一般的な栽培方法に比べて栄養価が高くなりやすい傾向に。
ビタミンCなどの一部の栄養素では、有機野菜に有意な差が出たという統計データもあります。

ただし、すべての有機野菜の方が栄養価が高いわけではありません。
大事なのは、栄養素をバランスよく摂取して、免疫力を高めることです。

参照:有機野菜と慣行野菜の微生物の分布ならびにミネラル・ビタミン含量の比較|島村裕子 他
untitled (jst.go.jp),(参照2024-08-02)

参考:免疫制御システムの名わき役としてビタミンは働く―方法序説と分子栄養学からの紐解き― |阿部 皓一
https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/96/3/96_65/_pdf,(参照2024-08-02)

参考:ビタミン類による感染防御免疫システム制御|阿部 皓一
https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/95/4/95_146/_pdf,(参照2024-08-02)

抗酸化力が高く免疫力に効果的なおすすめ有機野菜5つ

健康的な食生活を楽しむためには、栄養価の高い野菜をバランスよく取り入れることが大切です。
とくに、有機野菜は野菜自らが生長しようとする力を発揮しやすい環境で育てられるため、栄養バランスに優れる可能性が高いのです。

以下に、抗酸化力をサポートして免疫機能にも関係のある栄養素を含む、おすすめの有機野菜を5つご紹介します。

にんじん:カロテンが豊富な優秀野菜

にんじんは、β-カロテンが豊富に含まれた栄養価の高い野菜です。
β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、健康的な生活をサポートするとされています。

熱しても壊れにくく、油と一緒に調理すると体内に吸収されやすくなりますよ。
また、残留農薬は皮をむくことで減らせますが、有機にんじんなら皮ごと食べても安心です。

トマト:リコピンとビタミンCの宝庫

トマトには、リコピンとビタミンCが豊富に含まれている野菜です。
リコピンは抗酸化作用が強いとされ、健康維持に役立つと期待されています。
ビタミンCは、鉄の吸収を助ける働きもあり、全体的な健康をサポートするといわれていますよ。

キウイフルーツ:抗酸化作用の高いビタミンEが豊富

キウイフルーツは、ビタミンCとビタミンEが豊富な果物です。
ビタミンCは抗酸化力をサポートするとされ、ビタミンEは細胞膜の酸化を防ぎ、細胞の健康を保つ働きがある栄養素としてよく知られています。

キウイフルーツのなかでもおすすめが、ゴールドキウイです。
ゴールドキウイは通常のキウイフルーツよりもビタミンが豊富で、栄養価が詰まっている皮も食べやすいという特徴があります。

皮を食べるのに抵抗がある方は、スムージーなどにして飲むといいでしょう。

ピーマン:ビタミンCとβ-カロテンがたっぷり!

ピーマンは、ビタミンCとβ-カロテンが豊富に含まれる野菜です。

ビタミンCとβ-カロテンは加熱しても比較的壊れにくく、料理に取り入れやすいのが特徴です。
β-カロテンはビタミンAに変換され、健康維持に役立つと期待されています。

また、慣行野菜のピーマンより有機野菜のピーマンの方が、ビタミンCが1.3倍高かったという論文もありました。

有機野菜のピーマンはスーパーで見かける場合もあるため、比較的手に入りやすい野菜です。

ブロッコリー:ビタミンをバランスよく取れる万能野菜

ブロッコリーは、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、β-カロテン、鉄やたんぱく質などの栄養素をバランスよく含んでいる野菜です。
ビタミンCは抗酸化力を高めることが期待され、ビタミンEは細胞膜の酸化を防ぎ、細胞の健康維持に役立ちます。

また、カリウムは体内の水分量のバランスを整え、むくみの解消などの効果もあるのです。

ブロッコリーはゆでると農薬が落ちるといわれていますが、蕾に汚れや農薬が溜まりやすいためしっかりと洗っておきましょう。

ゆでるよりもレンジ調理の方が栄養価が高いまま食べられます。
有機野菜なら化学農薬が使われていないため、レンジ調理でも安心ですね。

有機野菜のメリット・デメリット

有機野菜には、健康や環境に配慮した多くのメリットがありますが、同時にデメリットもあります。
有機野菜のメリットとデメリットを正しく理解して、バランスの取れた食生活を続けていくのが、健康維持への第一歩です。

それぞれのメリットとデメリットを解説します。

有機野菜のメリット

有機野菜の主なメリットは、主に以下の3つです。

化学肥料や農薬を使用しないので、残留農薬の心配が少ないのが大きな特徴。
また、土壌のバランスが維持されるので、環境保護にも貢献しています。

有機野菜を選ぶことで、家族全員が安心して健康的な食生活を楽しめるのです。

有機野菜のデメリット

有機野菜のデメリットとしては、主に以下の3つです。

代表的なデメリットに、価格が高い点や入手が難しい場合がある点があげられます。
化学肥料を使用しないため収穫量が少なくなりやすく、加えて手間暇がかかっているため、価格が高額である場合が多いです。

有機野菜のデメリットを解消する「BLOF理論」とは

新しい農業手法にアイチョイスの野菜生産者にもみられる、「BLOF理論による有機栽培」というのがあります。

これまではベテラン生産者の経験や勘に頼っていたような栽培方法も、土壌の分析をしてきめの細かい管理ができ、植物生理の研究がすすみ、より野菜の潜在能力を高められるようになります。

「BLOF理論」最大の特徴は、感覚で次の作業を決めるのではなく、土や野菜の発する声を数値化して、理論的に対策を取るという点です。
多くの実験や化学的エビデンスから導きだされた手法であるため、手法を守れば、多収穫、高栄養、高効率といったことが可能な理論といえるでしょう。

供給不足と高価格というデメリットは、こうした栽培方法が広がることで、今後改善されていくかもしれませんね。

参考:BLOF理論による有機農業の実践|農林水産省
setsumeikai_shiryou_5-5_2.pdf (maff.go.jp),(参照2024-08-02)

有機野菜の免疫力に関するよくある質問

免疫力を高める野菜は?

直接的かつ確実に免疫力を高める野菜は確認されていませんが、免疫力をサポートする抗酸化力を持つ栄養素が豊富な野菜は、にんじん・トマト・ピーマン・ブロッコリー・キウイフルーツなどがあげられます。

有機野菜の何がそんなにいいの?

有機野菜のよさは、主に以下の3つです。

有機野菜はなぜ体にいい?

有機野菜=体によいといえる科学的根拠はまだありませんが、有機栽培は「土づくり」ともいわれるように、野菜が自ら成長しようとする力を発揮しやすい環境を用意します。
そのため、栄養のバランスに優れ、味わいがよくなるといったことが起こりやすくなるといえます。

野菜を食べないと免疫力はどうなりますか?

野菜を食べないと免疫力にも影響を及ぼします。
野菜には免疫細胞の生成と機能に不可欠なビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。

これら必要な栄養素が不足すると、免疫力が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなるのです。

有機野菜を食べるならアイチョイス!【免疫機能をサポート】

有機野菜のデメリットには、供給量が少ないために入手しにくいという点があります。
しかし、宅配生協のアイチョイスを活用すれば、入手しにくい有機野菜を使った料理が定期的に楽しめるのでおすすめ。

愛知県・岐阜県・三重県・静岡県を中心に宅配専門の生協として、農薬に頼らない産直限定の野菜を厳選してお届けしています。
取り扱い農産物の60%程度が有機栽培あるいは、有機栽培レベルなのも魅力のひとつ。

有機野菜を手軽に楽しみたい際は、お試しもできるので、ぜひご利用ください。

有機野菜で免疫によい食生活を目指そう!

速く大きく育てるために化学肥料を使うことで、栽培中に十分な栄養分を吸収しきれず、数十年前と比べて、野菜や果物の栄養が低下しているとの報告が。
土壌の質を高めてゆっくりと育った有機野菜の方が、より栄養素が多く含まれやすい傾向にあるといえるでしょう。

とくに、にんじんやピーマン、ブロッコリーなどは抗酸化力を持つ以下のような栄養素がより豊富に含まれているのでおすすめです。

免疫力アップには、バランスのよい栄養素を摂る正しい食生活が肝心です。
日頃の食生活のなかに有機野菜を少しずつ取り入れ、よりよい食生活を楽しんでみてはいかがでしょうか?

本メディアを運営している「アイチョイス」は、愛知県・岐阜県・三重県・静岡県を中心に宅配専門の生協として、農薬に頼らない産直限定の野菜を厳選してお届けしています。

有機野菜を手軽に楽しみたい際は、お試しもできるので、ぜひご利用ください。