投稿日2024.12.13
食品添加物の甘味料は本当に安全? 人工甘味料の種類と危険性
「食品添加物で使われている甘味料って体に悪そう…」
日々の食生活に気を配っていると、食品添加物の甘味料が本当に安全なのか不安ですよね。
本記事では、食品添加物の甘味料がどのようなものかといった基礎知識に加え、安全性やリスクを解説します。
今後の食品選びのためにも、甘味料について正しい知識を身につけましょう。
目次
食品添加物の甘味料とは?
食品添加物の甘味料は、健康面への配慮や食品の保存性を高めるために、砂糖の代替として使用される成分です。
食品添加物の甘味料とはどのようなものかを解説します。
天然甘味料と人工甘味料の違いとは
天然甘味料と人工甘味料の表記は、優良誤認の可能性があるため、ガイドラインでは認められていません。
ステビアやカンゾウなどは植物や果物から自然に得られますが、アスパルテームやサッカリンなどは化学的に合成されたものです。
どちらの甘味料も砂糖より甘みが強く、少量でも十分な甘さを感じられます。
糖質を原料としていない甘味料であるため、カロリーがゼロ~低いものが多く、摂取カロリーを抑えられるのも特徴です。
参考:食品添加物の不使用表示に関するガイドライン|消費者庁,(参照2024-12-13)
甘味料と砂糖の違いは
食品に使われる甘味料には「糖質系甘味料」と「非糖質系甘味料」があります。
砂糖や果糖は糖質系甘味料に含まれ、高カロリーであることが特徴です。
非糖質系甘味料にはステビアやアスパルテームが含まれます。
砂糖よりも数百倍甘く、少量で十分な甘さを得られることが特徴です。
甘味料の代表ともいえる砂糖は、成分の特性から食品の品質を劣化させるだけでなく、肥満や糖尿病のリスクを高める要因に。
近年では、天然甘味料や人工甘味料が含まれる非糖質系甘味料の使用が増えています。
食品添加物の甘味料は本当に危険?
食品添加物の甘味料は「化学的に合成されたもの」というイメージから、危険だと思われる傾向があります。
しかし、多くの甘味料が厳しい安全性試験を経て、食品への使用が許可されているのです。
以下より、甘味料の使用目的や危険性について解説します。
甘味料の使用目的と役割
食品添加物の甘味料には、食品に甘みをつける役割があり、食品の品質維持や健康面への配慮を目的として使用されています。
甘味料の代表である砂糖は水分を吸収しやすく、酵母や細菌の栄養源になるため、食品が腐りやすくなりますが、食品添加物の甘味料は、甘みを保持しながらも食品の品質劣化を防止できるのです。
砂糖の摂取は肥満や糖尿病、虫歯のリスクを高めることが特徴のひとつ。
食品添加物の甘味料は砂糖よりも甘みが強く、少量で十分な甘さを感じられるため、摂取カロリーが抑えられます。
糖を分解する際に虫歯の原因である「酸」が作り出されますが、人工甘味料では「酸」を作り出せないため、虫歯になりにくくなるそうです。
甘味料のリスクや懸念点は?
代謝への影響
甘味料を多く摂取すると、体重や血糖値の上昇がみられるという報告があります。
とくに糖尿病診断時に重視されているHbAlcが高くなる傾向にあり、注意が必要です。
グルコース濃度が上昇し、血糖に対する反応が低下するとの指摘も。
甘味料とリスクに関する調査は、それぞれの生活習慣や健康状態によっても左右され、結論が出ていません。
長期的なリスクの増加につながる可能性があるため、むやみに摂取することは避けるべきでしょう。
参考:人工甘味料と糖代謝|櫻井勝,(参照2024-12-13)
腸内細菌への影響
低カロリー商品に使用される甘味料は、腸内環境に影響を及ぼすことが報告されています。
一部の腸内細菌にとって栄養となる甘味料があり、増殖することによって腸内環境のバランスが崩れてしい、腸の炎症や大腸がんに繋がるとされています。
また、サッカリン・スクラロース・アスパルテーム・ステビアのうちいずれか1つを2週間摂取した実験によると、スクラロースとサッカリンは体が過剰なブドウ糖を適切に処理したり、貯蔵したりすることができなかったそう。
砂糖の消費を推奨するものではありませんが、甘味料による影響があることも知っておく必要がありますね。
参考:人工甘味料が腸内細菌乱す可能性 血糖値に影響も|日本経済新聞,(参照2024-12-13)
味覚の変化
甘味料の日常的な摂取は、砂糖と比較すると空腹感が感じやすいとの報告があります。
甘味料摂取による肥満や2型糖尿病の増加には、こういった特性が関与している可能性も。
甘味料の過度な甘みに慣れてしまうと、自然な甘みの食材に対する満足感が低下し、砂糖などの甘味料の過剰摂取を招く恐れがあるのです。
参考:人工甘味料の空腹時摂取による血糖値と空腹感・満足感の経時的変化|沖津美和子 他,(参照2024-12-13)
参考:世界保健機関(WHO)、新たに公表したガイドラインにおいて体重管理のために非糖類甘味料を使用しないよう勧告したことを公表|内閣府 食品安全委員会,(参照2024-12-13)
食品添加物の甘味料にはどんな種類があるの?
食品添加物として使用される甘味料には、さまざまな種類が存在。
以下では、代表的な甘味料の種類とその特徴について解説します。
アスパルテーム
アスパルテームは、主に下記の食品に使用される甘味料です。
- 調味料
- 飲料(清涼飲料水・果実ジュース・アルコール飲料など)
- 菓子類(飴・チューイングガム・チョコレート、ゼリーなど)
- 冷菓(シャーベット・アイスクリーム)
- デザート
甘さは砂糖の200倍にもおよびます。
原料がアミノ酸であるため、他のタンパク質中に含まれるものと同様に消化・吸収・代謝されるのです。
血糖値に影響しないため、ダイエット食品などに幅広く使用されるようになりました。
フェニルケトン尿症の方は、アスパルテームに含まれるフェニルアラニンというアミノ酸を分解できないため、摂取量に注意する必要があります。
サッカリン・サッカリンナトリウム
サッカリンは水に溶けない性質をもつ甘味料、サッカリンナトリウムは、サッカリンを水に溶けやすくした甘味料で、主に下記の食品に使用されます。
- 漬物
- 味噌
- 醤油
甘さは砂糖の500倍もあり、きわめて甘いです。
使用基準については、こうじ漬け、酢漬け、たくあん漬けは2.0g/kg未満、粉末清涼飲料は1.5gなどと定められており、使用できる食品に制限がかけられています。
アセスルファムカリウム
アセスルファムカリウムは、主に下記の食品に使用される甘味料です。
- 飲料
- 菓子、デザート
- 冷菓
- 農産加工品・水産加工品
- 砂糖代替食品
甘さは砂糖の約200倍もありますが、身体に吸収されない成分のため、カロリーを含まない甘味料として使用。
甘みを早く感じ、後味がすっきりと感じられるといわれています。
食品添加物としては、EU、アメリカ、カナダなど100か所以上で認可され、4,000を超える製品で用いられているそう。
カンゾウ抽出物
カンゾウ抽出物は、主に下記の食品に使用されている甘味料です。
- 漬物
- 味噌や醤油、ソースなど
- 珍味や塩辛、佃煮など
- スナック菓子
甘さは砂糖の200倍で、塩味を和らげる効果や旨味を引き出す効果が。
既存添加物に分類され、古代から広く薬用として用いられ、中国では最も古い生薬のひとつといわれています。
キシリトール
キシリトールは、主に下記の食品に使用される甘味料です。
砂糖と同じ甘さをもちながら、歯を丈夫にする効果が期待できるため、虫歯予防に役立つ
とされています。
溶ける際に熱を吸収するため、口の中でひんやりとした清涼感を得られるのが特徴です。
いちごやカリフラワー、ラズベリーなどの農産物にも含まれています。
使用できる食品や用途に制限はありませんが、お腹が緩くなることがあるので、食べる量には注意が必要です。
フィンランド歯科医師会では厳格な推薦基準を定め、基準を満たす商品についてはロゴマークの使用を認めるなど、14の国々がキシリトールを使用した製品を推奨しています。
D-ソルビトール
D-ソルビトールは、主に下記の食品に使用される甘味料です。
- チューイングガム
- キャンディー
- 清涼飲料水
- 漬物や佃煮
- 味噌や醬油、マヨネーズなどの調味料
- 果物の缶詰
甘さは砂糖の約60%ほどで、キシリトールと同様に溶ける際に熱を吸収するため、口の中でひんやりとした清涼感があるのが特徴です。
スクラロース
スクラロースは、主に下記の食品に使用される甘味料です。
- スポーツドリンクなどの飲料
- 菓子パンやお菓子
- デザート・アイスクリーム
- 砂糖代替品
甘さは砂糖の600倍で、砂糖に近い味わいが特徴です。
食品添加物の使用基準と安全性試験
食品添加物の使用基準と、どのような安全性試験が実施されているかを解説します。
食品添加物の使用基準とは?
食品添加物の使用基準は、食品衛生法第13条第1項に基づき、厳しく規定。
厚生労働省告示第370号で規定された「食品、添加物等の規格基準」によって管理されており、使用基準は安全性試験や有効性の評価結果に基づいて決定されます。
食品添加物による健康への影響がないとされる1日あたりの摂取許容量(ADI)を基に、食品添加物の使用が制限されることが多い傾向です。
食品添加物の安全性は試験で確認
食品添加物の安全性は、さまざまな試験を通じて確認されます。
これらの試験は、食品添加物が人体や動物に与える可能性のあるリスクを長期的に評価し、安全な使用を保証するためのものです。
以下に代表的な試験方法を紹介します。
- 反復投与毒性試験:ラット、マウス、イヌなどの実験動物を使用し、さまざまな毒性を調べる
- 繁殖試験:2世代にわたって動物に投与し、生殖機能や新生児の成長への影響を調べる
- 催奇形性試験:妊娠中の動物に与え、胎児の発育への影響を調べる
- 発がん性試験:実験動物にほぼ一生を通じて食品添加物を投与し、発がん性を調べる
- 変異原性試験:遺伝子や染色体にどのような与える影響を調べる
- 抗原性試験:アレルギー反応を引き起こすかどうかを調べる
- 一般薬理試験:中枢神経や自律神経に与える影響や消化機能への作用、動物の成長に影響を与えないかを調べる
これらの試験により、食品添加物が安全に使用できることを科学的に裏付け、消費者が安心して摂取できるよう配慮。
しかし、近年ではアニマルウェルフェアの観点にも注目が集まり、in vitro試験やコンピーターモデリング、ヒトベースの研究などが進められています。
食品添加物の甘味料に関するよくある質問
甘味料は食品添加物ですか?
砂糖は食品添加物ですか?
砂糖は食品そのものとして扱われるため、食品添加物ではなく食品です。
食品添加物は、食品を製造する過程で特定の目的のために添加されるものですが、砂糖は甘みを与えるための「原材料」として使用されるため、食品添加物には該当しません。
食品添加物としての調味料とは?
食品添加物としての調味料は、味を補強したり改善する目的で使用される成分のこと。
アミノ酸や核酸、酸味料の他に、旨味を強化する食品添加物などがあります。
甘味料とは?
甘味料は、食品に甘さを加えるための成分です。
主に糖質系と非糖質系の2つに分類されます。砂糖やでん粉由来の糖、その他の糖類、糖アルコールは糖質系甘味料です。
非糖質系甘味料は、さらに天然甘味料と人工甘味料の2つに分けられます。
天然甘味料は、植物の葉や果実などに自然に含まれる甘み成分から作られたものです。
代表的な例としては、ステビアやアガベシロップが挙げられ
ます。
人工甘味料は化学合成によって人工的に作られた甘味料で、アスパルテームやサッカリンなどが有名です。
甘味料の知識を身につけて、より良い食生活を築こう!
日本で使用されている食品添加物の甘味料は厳しい安全性試験をクリアしています。
適切に使用すれば血糖値の上昇を抑えるなどの効果があり、悪いものであるとは言い切れません。
しかし代謝への影響だけでなく、腸内環境の乱れによる腸の炎症や大腸がんへのリスクなども報告されています。
さらに、甘味料摂取による肥満や2型糖尿病の増加にも関与している可能性があるのです。
日常的な摂取を控えたいと考える人も多いのでは?
アイチョイスでは独自基準を設け、食品添加物に頼らない商品を多数取り扱い中。
アイチョイスのカタログに掲載される約99.9%の商品が、アスパルテームなどの非糖質系甘味料不使用です(※)。
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※2024年12月3回アイチョイス定番カタログ調べ
すべての甘味料が食品添加物というわけではありません。
甘味料の代表である砂糖は、食品添加物ではなく食品として扱われます。
アスパルテームやサッカリン、キシリトールなどが食品添加物として扱われる甘味料です。