食品添加物=体に悪い?正しい知識と添加物の安全性について解説

「食品添加物」と聞くと、体に悪いイメージを持っていませんか?
身近な食品のほとんどに食品添加物が含まれており、不安に思う方もいるでしょう。

本記事では、食品添加物の安全性についてわかりやすく解説!
食品添加物のメリットとデメリット、身近に使われている添加物もご紹介します。

目次

食品添加物とは?

食品添加物とは、食品を作る過程や、加工・保存をする際に使われる物質のこと。
よく耳にする保存料や着色料、甘味料、香料などもすべてまとめて「食品添加物」です。

日本では食品衛生法に基づき食品添加物を4つのカテゴリーに分類し、厚生労働省に安全性が認められたもののみ使用可能としています。

化学物質のみならず、一般的に食べられている食品や自然界に存在するものも食品添加物として扱われているのです。

現在、食品添加物の数はすべて合わせて1500品目以上にものぼります。

食品添加物は本当に体に悪いの?

「食品添加物=悪」と思われがちですが、必ずしも体に悪いとはいい切れません。

日本では食品安全委員会の審査をもとに厚生労働省の審議・評価が行われており、厳密な手順を経て食品添加物が指定されているからです。

ただし、懸念されているのが食品添加物の過剰摂取。
「安価」「大量生産」「日持ちがよい」食品の実態は、効率を重視して食品添加物に頼っていることがほとんど。
このような食品の摂り過ぎは、さまざまなリスクを引き起こす可能性があります。

過剰摂取による悪影響は食品添加物に限ったことではありません。
私たちの体に欠かせない水も摂り過ぎれば水中毒となり、死に至るケースも。
水と同様に、食品添加物の摂り過ぎにも注意しなくてはいけないのです。

日本の食品添加物の指定方法は?

前述したとおり、日本では食の安全を確保するために食品添加物規定を設けています。
しかし、本当に十分な安全性が保障されているのか慎重に考える必要があるでしょう。

ここでは、食品添加物の申請から指定されるまでのプロセスを解説します。

指定前:安全性を確認する調査

リスク評価機関である食品安全委員会が人体に与える影響を確認するため、以下の調査を行います。

「無毒性量」とは毒性試験を行う過程で有害な影響のない最大投与量のこと。

実験動物を用いた毒性試験では無毒性量を調べ、その結果をもとに無毒性量の1/100の量をADIとして設定します。

近年はアニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から動物実験に対する批判的な意見も。代替試験として「in vitro試験」や「コンピューターモデリング」「ヒトベースの研究」などの方法も進められているのです。

試験結果・ADIの設定値をふまえて、厚生労働省は必要性や有用性の審議を行い最終的な可否決定を行います。

一日摂取許容量ADI)・・・人が毎日摂取しても健康に影響を及ぼさないとされる一日あたりの摂取量。

指定後:食品添加物の使用量を設定

可否決定後の流れは以下のとおりです。

食品添加物は使用可能な食品の種類により、添加できる量が異なります。
そのため、指定されたのち過剰摂取による体への影響が出ないよう添加できる上限使用量を設定するのです。

現在指定されている添加物においては定期的な規格基準の設定や安全性の見直しを実施。国際的に安全評価されていないものや長く使われていないものは、既存添加物リストから削除しています。

なお、厚生労働省では「マーケットバスケット方式」といった方法を用いて、消費者が1日のうちに摂取する食品添加物の量を定期的に調査しているのです。

この調査は「一日摂取許容量(ADI)」の範囲内なら人体への影響がないことを前提として調べられているもの。

厚生労働省によると、多くの消費者はADIの数値を大きく下回っていると報告されています。

しかし、食品添加物の複合影響や特定食品の大量摂取、長期間にわたる体への影響など不明確なことがあるのも事実です。

食品添加物のメリット6つと役割

ネガティブな印象を持たれやすい食品添加物ですが、歴史は1000年以上。

豆腐や中華麺、こんにゃくなど添加物があるからこそ作れる食品もあり、私たちの食生活をゆたかにしてきた側面があります。

食品添加物のメリットは6つです。

食品の製造または加工時に役立つ

食品添加物は製造・加工をスムーズに行うために重要な役割を果たします。
作業を簡単にし、生産性・効率性を高められる効果も。

食品の製造・加工時に役立つ添加物は以下のとおりです。

食品の形を作ったり、独特の食感を持たせる

ケーキのふわふわ感やプリンのぷるぷる食感も食品添加物によって生み出されています。これらは食品の形や食感を調整する役割を持つ食品添加物によるもの。
食感の楽しさや食べ応えなどをもたらすメリットがあります。

食品の形成、独特の食感を持たせる添加物は以下のとおりです。

見た目をよくする

食べ物に対する嗜好性をアップさせるのも食品添加物の役目。
色調を整えて食欲をそそる見た目に仕上げます。

食品の見た目をよくする添加物は以下のとおりです。

着色料は加工食品であるハムやウィンナー等への使用は可能ですが、食肉・野菜・鮮魚介類に使うことは禁止されています。
品質や鮮度をごまかすために使われる可能性があるためです。

味と香りをよくする

食品添加物には風味をゆたかにし、味覚的な満足感を高める効果があります。
肉や魚の生臭さなど、食品が持つ臭みを目立たなくする役割も。

食品の味と香りをよくする添加物は以下のとおりです。

栄養成分を補える

食品添加物によってふだんの食事だけで不足しがちなビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養素を効率よく摂取できるのが特徴です。

食品の製造や加工中に失われた栄養を補給するための役割も担います。
なお、栄養強化の役割を果たすのは「必須アミノ酸」のみです。

食品の栄養成分を補える添加物は以下のとおりです。

食品の品質を保つことができる

食品添加物のなかには細菌等の増殖や酸化を防ぎ、保存性を高めるものがあります。
代表的なのが、台風や地震などの災害時に役立つ加工食品。
即席食品などは長期保存が利く頼もしいアイテムだといえます。

食品の品質を保つ添加物は以下のとおりです。

注意すべき食品添加物のデメリット5つ

食品添加物のデメリットは以下の5つです。

厚生労働省で使用基準が定められていますが、食品添加物の安全性は不明確なことも。
悪い点・注意すべき点をお伝えしますので、自身の食生活を見直すきっかけにしてみてくださいね。

摂取し過ぎると、塩分・糖分・脂質過多になる

食品添加物の摂取しすぎは、糖分・塩分・脂質過多によって体への悪影響を及ぼす可能性があります。

たとえば、私たちにとって身近なカップ麺や菓子パン。
これらをまとめて「超加工食品」といい、おいしく日持ちがよくなるようにさまざまな添加物が入っています。

糖分・塩分・脂肪を多く含むため、食べ過ぎると摂取過多となり、体重増加や認知症、がんのリスクを高める可能性も。

超加工食品を長期的に食べるのは避け、バランスのよい食事を心がけましょう。

アレルギー物質が含まれている場合がある

食品添加物に含まれる化学物質が「化学物質過敏症」「皮膚トラブル」「食物アレルギー」の引き金となる場合があります。

アレルギー症状を引き起こす化学物質のうち、保存料を例に見てみましょう。

種類物質名症状
保存料

安息香酸ナトリウム

喘息や皮膚炎

亜硝酸ナトリウム

頭痛やめまい

二酸化硫黄

気管支援やじんましん

保存料と同様に、ほかの化学物質でも症状が現れる場合があります。
また、添加物自体にアレルギー物質(28品目)が加えられていることもあるため、注意が必要です。

アレルギーが不安な方は食品添加物不使用の食品を選ぶとよいでしょう。

栄養を摂り過ぎる可能性がある

ビタミンC類・ミネラル類・アミノ酸類など、私たちの体に不足しがちな栄養素を補える「栄養強化剤」。
しかし、なかにはミネラル類やアミノ酸類には塩分を含む物質が。

塩分を含む物質に、ミネラル類の「塩化カルシウム」やアミノ酸類の「グルタミン酸ナトリウム」などがあげられます。
これらを含む食品を摂り過ぎると「生活習慣病」になるケースがあるのです。

また「グルタミン酸ナトリウム」は、うまみ成分を作る調味料としての役割も担っています。
多くの調味料に使われているため、気づかぬうちに摂取し過ぎていることも。

一般的な量であれば問題ありませんが、必要以上に摂取すると塩分の摂り過ぎになる恐れがあります。

複合影響のリスクが不明確である

複合影響とは、複数の添加物を同時に摂取した場合の影響のことを指します。

食品添加物一つひとつの安全性が確認されているものの、複合影響については明らかになっておらず、不安視する声も。
とある研究結果では「食用赤色40号」の複合影響が見られたとの報告もあるのです。

食品安全委員会は2007年3月に添加物の複合影響の研究を実施し、人体への影響はきわめて低いと結論づけています。

とはいえ、行われた研究は一部の食品添加物のみ。
食品添加物の組み合わせは無数にあるため、短期間での調査は困難であるといえます。

安全性の不十分でない既存添加物が存在するケースもある

既存添加物は長年使用され安全性に「問題がない」とされていますが、必ずしもそうとは限りません。

たとえば、2004年7月に使用禁止となった「アカネ色素」。
過去にハム等の食肉加工品、かまぼこ等の水産加工品、菓子類と私たちの身近な食品に使われていたものです。

厚生労働省が安全性試験を実施したところ、ラットへの発がん性が発覚し、使用禁止となりました。
人体への被害は確認されていないものの、食品添加物の安全神話が崩されることに。

アカネ色素が使用禁止されて安全性試験はより加速的に行われていますが、今後も安全性の確認できない既存添加物が出てくる可能性は否めません。

摂取しすぎに気を付けよう!身近な食品添加物10選

身近な食べ物に多く使われている食品添加物。
厚生労働省で安全性が確認されているとはいえ、過剰摂取には十分な注意が必要です。

ここでは、よく使用される代表的な食品添加物をご紹介します。

亜硝酸ナトリウム:発色剤

「亜硝酸ナトリウム」は食品を色鮮やかに見せる発色剤です食品がもともと持つ色素と結合し、加熱・酸化による変色を防ぎます。

 食品が持つもともとの色素と反応して褐色・変色を防ぐ効果が。 ボツリヌス菌等の有害な微生物を防ぎ、保存性を高めます。

 おもに使われている食品は下記のとおりです。

キサンタンガム:増粘安定剤

「キサンタンガム」は食品のとろみ付けとして最も使われている増粘安定剤です。
食品の粘度を高め、滑らかな食感を維持するのに役立ちます。

とくに近年使われている食品といえば、グルテンフリー製品。
小麦が持つグルテンの代わりにキサンタンガムを入れ、粘度や食感を補っています。

おもに使われている食品は以下のとおりです。

ビタミンC(アスコルビン酸):酸化防止剤

ビタミンC(アスコルビン酸)は、デンプンを加水電解して得られるブドウ糖を原料とした酸化防止剤です。
水に溶けやすい性質から使われている食品はさまざま。

ビタミンCが持つ強い還元力により、食品が空気に触れて起きる変色や褐色、風味の劣化を防ぎます。
酸化防止剤以外に栄養強化剤や品質改良剤としての役割も。

おもに使われている食品は以下のとおりです。

食用タール色素(赤色2号)(青色2号):着色料

「食用タール色素」は石油由来の化学物質を原料とした合成着色料です。
12種類あるなか、代表的なのが「赤色2号」「青色2号」。

食品に鮮やかな色を付けるために使用され、見た目を向上させる効果が。
子ども向け製品など見た目の楽しさを重視した商品に多く使用されています。

おもに使われている食品は以下のとおりです。

アスパルテーム:甘味料

「アスパルテーム」は砂糖の代用として使われる人工甘味料の1つです。
カロリーを控えたい食品に入っていることが多く、甘さは砂糖の約200倍。
少量でも砂糖のような甘さを出すことが可能です。

アミノ酸を主成分としているため、虫歯菌の栄養源にもならず、虫歯の原因にはなりません。

おもに使われている食品は以下のとおりです。

豆腐用凝固剤:製造用剤

「豆腐用凝固剤」は豆乳を固めて豆腐の形を作るために必要な製造用剤です。
現在、日本の食品衛生法で登録されているものは6種類あります。
そのなかでも代表的なのが昔から使われてきた「にがり」。

海水から塩を作る過程で得られる副産物であり、主成分は塩化マグネシウムです。
日本の伝統的な豆腐には「にがり」が使われているのが一般的。
作りたい豆腐の種類や食感に応じて、使用する豆腐用凝固剤の種類は異なります。

おもに使われている食品は以下のとおりです。

かんすい:製造用剤

「かんすい」は中華麺を作る際に昔から使われてきたアルカリ剤です。
独特の食感やコシを作り出すために欠かせない食品添加物といえるでしょう。

また、かんすいと小麦粉のフラボノイド色素が反応することで中華麺特有の卵黄色が生まれています。

おもに使われている食品は以下のとおりです。

リン酸塩:結着剤

「リン酸塩」は食品の形状維持・水分保持の役割を持つ結着剤です。

弾力性を高め、プリッとした食感を作り出します。
冷凍肉や冷凍すり身の解凍時に発生するドリップ(離水)を少なくする効果が。

おもに使われている食品は以下のとおりです。

グリセリン脂肪酸エステル:乳化剤

「グリセリン脂肪酸エステル」は、油脂から取れる脂肪酸とグリセリンから作られた乳化剤です。

油と水を混ざりやすくし、食品の質感を均一に保つ役割があります。
そのほか、起泡剤や豆腐用消泡剤といったさまざまな用途で使われることも。

おもに使われている食品が以下のとおりです。

グルタミン酸ナトリウム:調味料(アミノ酸)

調味料(アミノ酸)は、ほとんどの加工食品に使われる “うまみ調味料”です。

代表的なのが昆布のうまみ成分として知られる「グルタミン酸ナトリウム」。
手軽にうまみを加えられるうえに、酸味や苦味を緩和する効果もあります。

おもに使われている食品は以下のとおりです。

アイチョイスでは食材本来の味を活かすため、商品すべて化学調味料を100%排除。
アミノ酸含む化学調味料に頼らない商品のみを取り扱っています。

「食品添加物 体に悪い」のよくある質問

食品添加物はなぜ体に悪いの?

食品添加物を過剰に摂取すると、アレルギーなどの悪影響を及ぼす可能性があります。

食品添加物の多い食事に偏らないよう注意することが大切です。

毎日食べても大丈夫?

食品添加物の摂取量には十分な注意が必要です。
過剰摂取によるリスクが高まってしまいます。

私たちは一日にどのくらいの食品添加物を食べているの?

2021年度(20歳以上の大人が対象)の調査によると、発色剤として使用される亜硝酸ナトリウムは1日当たりの摂取許容量に対して4.6%と下回っていました。

食品添加物の海外基準は日本より緩い?

日本と海外では食生活や制度の違いにより、食品添加物に関する基準(定義・対象食品・使用量)が異なります。
国によって基準が厳しい国や緩い国があるのです。

日本と海外の基準を単純に比べるのはむずかしいといえるでしょう。

食品添加物の体への影響を知り正しい判断をしよう

食品添加物は体に悪いと思われがちですが、国から安全性が確認された物質・規定量のなかで使用されています。
私たちの食生活を支えてきた背景もあり、すべてが悪いとはいい切れないでしょう。

ただし、食品添加物の多い食品ばかりを食べる生活はよくありません。
過剰摂取によって、体重増加や認知症、がんのリスクを高める可能性があります。

加工食品に頼り過ぎず自炊を心がけたり、食品添加物の使用が少ない食品を生活に採り入れたりなど、食品添加物とうまく付き合っていきましょう。

アイチョイスでは、国が定めた安全基準よりも高い独自の基準を設け、できるだけ食品添加物を排除し、質の高い原材料を使った商品を提供。

食品添加物は意識しなければ自然と口に入り、体内へ運ばれます。
実際、人体は誰も同じではないため、人によっては悪影響が及ぶ場合も。
そんななか、多くの食品添加物を使わずに製品化できるものも多数存在するのです。

こうした点を考慮して、アイチョイスはみなさんが迷わず選べるような商品を厳選!
まずは初回限定「おためしボックス」でこだわりの食材をお試しくださいね。