投稿日2024.12.6
食品添加物のデメリット5つ| 気をつけたい理由と種類についてわかりやすく解説
「食品添加物って体に悪い?」
「外食やコンビニ弁当が多く、食品添加物を取りすぎているかも」
さまざまなイメージがありますが、食品添加物は食品の長期保存など、重要な役割を担っています。
デメリットを理解したうえで、日々の食事について考えてみませんか。
目次
食品添加物とは?分類を紹介
食品添加物とは、食品の製造工程・加工・保存に使われるものです。
味を整えたり、保存効果を高めたりといった役割が。
日本で認可されている食品添加物は1500品目もの種類があり、以下4つに分類されます。
- 指定添加物
- 既存添加物
- 天然香料
- 一般飲食添加物
すべての食品添加物は、国の食品安全委員会で厳しい検査を実施します。
安全性が確認された食品添加物しか使用が認められていません。
参考:食品添加物の安全確保|厚生労働省,(参照2024-12-06)
食品添加物のデメリット5つ
糖分や塩分など過剰摂取になりやすい
食品添加物は、食品の味を整えおいしくする役割があります。
ただし、食品添加物を含む食品に慣れてしまうと、食品添加物特有の強い味や食感を求めるようになり、繰り返し摂取する習慣が付きやすくなります。
日常的に食品添加物を多く摂取するようになると、結果として肥満や高血圧などの生活習慣病につながる恐れが。
栄養成分表示を確認し、バランスの取れた食事を意識することが重要です。
一日の摂取許容量が明確に決まっている
食品添加物には、各国の食品安全基準に基づいて一日の摂取許容量(ADI)が設定。
日本では一日の摂取許容量を超えないように、食品への使用量や使用基準を設けています。
一日の摂取許容量を守っていれば、基本的には安全です。
しかし、さまざまな食品に含まれている添加物を日常的に摂取することで、複数の添加物を組み合わせた際に生じる影響については、十分に解明されていない部分も。
原材料の表示を確認することはもちろん、同じ食品を大量に食べるのではなく、バランスのよい食事を心がけましょう。
食品添加物にアレルギー物質が含まれている可能性
食品添加物の中には、アレルギーを引き起こす成分を含んだものがあるため、アレルギーを持っている人は注意が必要です。
たとえば、保存剤として使用される安息香酸ナトリウムは、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
また、卵や果物、魚介類といった、日々の食卓に親しまれる食品を原料とした食品添加物も。
このような成分を食品添加物に使用する場合には、「カゼイン(乳由来)」のように、アレルギー品目の記載が必要です。
食品を購入する際には、ラベルを確認し、自身のアレルギー症状を引き起こす原因となる成分が入っていないかどうか確認を怠らないようにしましょう。
人体に悪影響をおよぼす可能性
長期的な摂取や過剰摂取により人体に悪影響を与える可能性があることも、デメリットの1つです。
着色料や防腐剤の一部は、過剰摂取することで発がん性のリスクがあるとされています。
その他にも、中毒症状や肌荒れ、アレルギー反応などさまざまな症状が発症する恐れも。
日本と海外では、使用が認められた食品添加物の品目数が違います。
日本で使用されている食品添加物は約1,500種類ですが、EUでは約400種類に制限。
日本で使用可能な着色料の一部がEUでは禁止されていることも。
さらに2023年に亜硝酸ナトリウムの使用基準を厳格化するなど、EUでは厳しい規制が敷かれています。
日本で安全とされる食品添加物でも、海外では禁止されている場合があるため、これらの違いを理解しながら食品を選ぶことが大切です。
参考:カラメル色素の食品への利用と安全性|片山佳子 他,(参照2024-12-06)
食品添加物以外の用途では使用できない
食品添加物は、食品の製造工程・加工・保存を目的として使用されます。
食品添加物そのものを食品として食べるといったような本来の目的以外で使用した際には、安全性が保証されていません。
2003年には日本国内で「D-ソルビトール」という食品添加物がダイエット飲料として販売されたことがあります。
甘味料として食品添加物に指定されていたD-ソルビトールを、下剤の目的で使用した例です。
その飲料を飲んだ消費者が腹痛や嘔吐などの中毒症状を引き起こし、大きな被害をもたらしました。
食品添加物は本当に危険なの? 重要な役割について
食品添加物は、現在の食生活において重要な役割を果たしています。
食品の製造や保存、流通を効率的に行ううえで欠かせない存在であり、これによりわたしたちは多様な食品を安心して手に入れることができるのです。
しかし、食品添加物がなければ食品が手に入らないわけではありません。
素材そのものの味や働きを大切にした、食品添加物に頼らない食品も選択肢として存在。
食品添加物そのものが悪いわけではありませんが、必要以上に食品添加物に頼りすぎることなく、食品枝日に慎重さを持つことも大切ですね。
食品の長期保存が可能
保存料として食品添加物を使用することで、食品の劣化が遅くなり、長期保存が可能です。
買い置きや備蓄がしやすくなり、食品ロスの減少につながります。
腐食を抑えることで食中毒の予防に
食品添加物には食品の腐敗を抑え、食中毒のリスクを減らす効果が。
防腐剤や酸化防止剤が細菌やカビの増殖を防ぎ、食品の安全性を高めてくれます。
品質の安定
食品添加物の安定剤や保存料は、味や見た目、品質を安定させる役割があります。
これにより、いつでもおいしく安心して食べられる状態が保たれるのです。
食品の栄養素を補てん
食品添加物の中には、栄養素を補えるものがあります。
たとえば、加工過程で失われたビタミンやミネラルも、食品添加物を使用することで補うことが可能です。
食品添加物で栄養素の低下を防ぎ、健康的な食生活の維持をサポートします。
摂取量に気をつけたい食品添加物の種類
食品添加物にはさまざまな種類があり、そのすべてが一概に悪いとはいえません。
適切に使用されることで、食品の安全性や保存性を向上させる重要な役割を果たしています。
しかし、中には摂取量に注意が必要な食品添加物も存在。
発色剤や甘味料、防カビ剤などは、長期間にわたって過剰に摂取すると、健康に悪影響をおよぼす可能性が指摘されています。
食品添加物の種類や使用目的を正しく理解し、原材料の表記を確認することで、過剰摂取を防ぎながら安全に活用することが大切です。
また、消費者自身が原材料の表記を読み取り、食品の内容を理解できるようになることは、自分や家族の健康を守るための重要な一歩となるでしょう。
ここでは、とくに気をつけたい食品添加物を紹介します。
発色剤:亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムは肉製品やソーセージなどで使用される発色剤です。
食品に鮮やかな色を保たせるだけではなく、細菌の繁殖を抑える効果があります。
亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩は、体内で発がん物質のN-ニトロソ化合物を生じることが知られており、摂取のし過ぎには注意が必要です。
また、血中のヘモグロビンと結合するとメトヘモグロビンに変化し、呼吸困難などの症状を引き起こす場合があります。
2010年に国際がん研究機関は硝酸塩および亜硝酸塩について、ある条件下で摂取した硝酸塩又は亜硝酸塩は、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」(グループ2A物質)であると発表。
食品自体に含まれる亜硝酸塩については、証拠不十分または限定的であるとしています。
引用:香港食物環境衛生署食物安全センター、リスク評価研究「調理済み野菜の貯蔵後の亜硝酸塩含有量の変化」に関する調査の報告を公開|食品安全委員会,(参照2024-12-06)
甘味料:アスパルテーム
アスパルテームはカロリーを抑えた甘味料として、ダイエット飲料や低カロリーのお菓子に使用されています。
一部の研究では、長期的な摂取により肥満や糖尿病のリスクとなり、心臓病やがんを引き起こして死亡リスクを高めるとの報告も。
ラットでの実験ではありますが、安全とされている量でも神経行動学的健康に影響をおよぼす可能性も示唆されました。
また、2023年には国際がん研究機関(IARC)から発がん性の可能性について発表されています。
その後、摂取量はADIよりも低いことが推定され、アスパルテームの摂取による健康への悪影響が生じる懸念はないと述べているそう。
フェニルケトン尿症という疾患を持つ人はアスパルテームを体内で分解するのが難しいため、とくに注意が必要です。
参考:人工甘味料と健康|下方浩史 他,(参照2024-12-06)
甘味料:アセスルファムK
アセスルファムKはゼロカロリーの甘味料で、ジュースや菓子、ガムなどに広く使われています。
少量で効果を発揮しますが、長期間の大量摂取は健康に悪影響を与える可能性も。
また、一部の研究では発がん性のリスクが指摘されており、甘味料を多く含む食品は過剰摂取しないように推奨されているのです。
参考:人工甘味料とがんリスク|シャーロット・デブラス 他,(参照2024-12-06)
保存料:ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは、食品のカビや細菌の繁殖を抑える効果があります。
市販のお弁当や加工食品だけではなく、歯みがき粉などの日用品にも含まれているのが特徴です。
摂取後はそのほとんどが尿などで排出されますが、過剰摂取すると発がん性物質への変化や、腸内環境が悪化する可能性が指摘されています。
身近な食品だけではなく化粧品や歯みがき粉などの日用品にも使用されているため、知らないうちに過剰摂取してしまわないよう、注意が必要です。
参考:食品添加物の使用に対し新たに出現した耐性菌の影響に関する評価指針|岩渕 絵里子,(参照2024-12-06)
着色料:赤色・黄色・青色
着色料は、化学合成系着色料と天然系着色料とに大別されます。
化学合成系着色料であるタール系色素は品質が一定で純度が高いことから、微量の使用で済むため広く使用されているのです。
カロテン類のような天然に存在する色素でも、化学的に合成された場合は、化学合成添加物に分類。
2007年にイギリスの医学誌において、子どもの過剰摂取で多動性を引き起こす可能性があると発表されました。
その他にも、製造工程によっては発がん性が疑われる研究結果があります。
とくにお菓子や飲料に多く含まれているため、注意しましょう。
以下では、代表的な着色料の特徴を解説します。
参考:食品添加物が児童の多動性に与える影響に関する論文の発表について|厚生労働省,(参照2024-12-06)
参考:カラメル色素の食品への利用と安全性|片山佳子 他,(参照2024-12-06)
赤色3号
赤色3号は、赤色~褐色の粉末または粉の着色料です。
タンパク質となじみやすいため、日本ではかまぼこなどに使用されています。
動物実験において甲状腺腫瘍などの症状が確認されているそうです。
赤色102号
赤色102号は、主に漬物や菓子などに使用される着色料です。
児童の多動性(ADHD)の増加や赤血球減少、肝機能低下の可能性が指摘されています。
参考:英国食品基準庁(FSA)、食品の着色料と多動性に関して保護者へのアドバイス更新版を公表|食品安全委員会,(参照2024-12-06)
黄色5号
黄色5号は、一般名は「サンセットイエローFCF」と呼ばれる着色料で、主に菓子や清涼飲料水に使用されています。
海外の食品基準庁では、10歳未満の子どもが過剰摂取すると、多動性(ADHD)につながる可能性があると考えられています。
青色1号
青色1号は、鮮明な青色で、石油由来の成分から作られた着色料です。
主に清涼飲料水や氷菓子に使用されており、動物実験で発がん性が確認され、EUでは使用が禁止されています。
青色2号
青色2号は、青紫色で、和菓子などに使用される着色料です。
発がん性の可能性が示唆されていますが、人への影響はないとされています。
防カビ剤:OPP・TBZ
OPPやTBZは、果物や野菜の表面に使用される防カビ剤です。
輸入果物や柑橘類の皮に使われることが多く、長期間摂取すると皮膚炎や内臓への影響があるとされています。
果物を食べる際には、皮をよく洗うか、皮をむくなどの対策をしましょう。
参考:マウスにおけるオルトフェニルフェノール及びチアベンダゾールの同時投与による慢性毒性試験|三栗谷久敏 他,(参照2024-12-06)
酸化防止剤:BHT・BHA
BHTとBHAは、酸化を防ぐために使用される食品添加物です。
スナック菓子や揚げ物などの加工食品に使われ、食品の酸化を遅らせる役割を持ちますが、アメリカでは乳幼児用食品への使用が禁止されています。
コンビニやスーパーの食品添加物が多い食べ物
コンビニやスーパーで手に入る食品の中には、長期保存や見た目、味を保つために多くの食品添加物が使われています。
とくに市販のお弁当やおにぎりなどのデイリー食品、カップラーメンは添加物が多く含まれている代表商品です。
たとえば、コンビニの弁当やおにぎりには、防腐剤やpH調整剤などの食品添加物が多く使用されています。
賞味期限が長くなり、品質は安定しますが、頻繁に摂取すると体に負担がかかることも。
また、カップラーメンやスナック菓子などは、調味料(アミノ酸)・甘味料・着色料が多く含まれている食品です。
保存料や着色料は不使用と書かれていても、同様の効果がある添加物を使用している可能性があるため注意しましょう。
市販されている食品はパッケージの裏面などに原材料が記載されています。
その中の/(スラッシュ)以降に記載されているのが食品添加物です。
購入する際は一度目を通すようにしましょう。
アイチョイスでは、カタログに掲載されているすべての商品の原材料を公開。
食品添加物が多くなりがちな冷凍食品も、食品添加物に頼らないものばかりです。
食品添加物のデメリットに関するよくある質問
食物添加物のデメリットは?
- 糖分や塩分など過剰摂取になりやすい
- 一日の摂取許容量が明確に決まっている
- 添加物にアレルギー物質が含まれている可能性がある
- 人体に悪影響をおよぼす可能性がある
- 食品添加物以外の用途では使用できない
添加物が体によくない理由は何ですか?
食品添加物が体によくないとされる理由の一つには、化学物質による人体への影響が挙げられます。
保存料や甘味料は摂取して体内で代謝される際、一部が分解しにくく、体に蓄積する可能性があるのです。
また、過剰摂取により肝臓や腎臓に負担がかかることもあります。
発がん性のリスクが疑われている添加物もあるため、長期的な健康への影響が懸念も。
食品を購入する際には、成分表示を確認しバランスを意識した食事が必要です。
食品添加物でやばいのは何ですか?
発色剤の亜硝酸ナトリウムや着色料などは、長期間の摂取で発がん性やうつ症、状記憶障害などの危険性が疑われています。
また、甘味料の一部には頭痛やめまいなどの症状を引き起こすケースが報告されています。
とくに、加工食品やスナック菓子に注意しましょう。
これらに多く含まれる添加物を日常的に摂取することで、体への悪影響のリスクが高まる可能性があります。
食品添加物の恐ろしさは?
食品添加物の恐ろしさは、見えない形で体に悪影響をおよぼすことです。
毎日の食事で少しずつ摂取していると、気づかないうちに体に蓄積される可能性が。
発がん性やアレルギー性のほかに、一部の添加物では神経系に影響を与え、行動や気分に変化をもたらすことが指摘されています。
食品選びの際には、こうしたリスクを考慮し、成分表示を確認するなど、意識的に安全な選択をすることが大切です。
食品添加物はデメリットだけじゃない!正しい知識で安心した食生活を送ろう
食品添加物は、食品の長期保存や栄養素の補てんなど、わたしたちの食生活を豊かにするために欠かせない役割を果たしています。
一方で、味覚が鈍くなることで過剰摂取のリスクを高めたり、アレルギー症状を引き起こしたりと、いくつかのデメリットも。
日本で使用されている食品添加物は、安全性が認められたものだけです。
1日の摂取許容量を元に、食品への使用量や使用基準も定められています。
しかし、海外で広く採用されている「予防原則」の観点からみると、十分に解明されていない影響がある場合は、リスクを避けるために使用を控える姿勢が重視されているのです。
化学的に安全とされている範囲であっても、わたしたち自身が必要以上に摂取することはありません。
アイチョイスでは、食品添加物に頼らず、素材本来の味わいを活かした商品を多数取り扱っています。
「わからないものは避けたい」
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そんな方にはまずはおためしボックスで、安心でおいしい食生活を体験してみませんか?
食品添加物のデメリットは以下の5つです。