カリフラワーを育てる丸山農園に行ってみた!

アイチョイスでは、地産地消の野菜を多く取り扱っています。

 

せっかくなのでみっくすなっつで紹介したい!と野菜の担当者に相談すると、
「それなら『野菜が大きくなりすぎちゃう』農家さんがいますよ!」とおもしろい情報が。

 

そこでさっそくお邪魔したのが、愛知県南知多町で季節に合わせた野菜を栽培している丸山農園です。

丸山農園ってどんな農家さん?

丸山農園 丸山雄規(まるやまゆうき)さん

父喜幹(よしもと)さんの代から40年以上続く、丸山農園。
喜幹さんがやっていたのをきっかけに、雄規さんも21歳で農業の道へ。

化学農薬と化学肥料不使用の野菜を作っています。

 

もともとは農業の勉強をしたことなく、当初はまったくうまくいかなかったんだとか。

農協の生産部会に加入し、地域に合った品種を探すことから始めました。

 

喜幹さんの時に3haだった畑は、今ではなんと2倍の6ha(東京ドーム1.2個分)に!

丸山農園の野菜は、単品だけでなく旬の野菜が3品入った『丸山さんの野菜セット』なども取り扱っています。

 

「珍しい野菜が入っているので、献立を考えるのが楽しい!」「ボリューミーで大満足」などと評判なんです。

栽培している野菜は?

10月に定植したブロッコリーの苗

丸山さんは季節に合わせてさまざまな野菜を作っていて、年間で約100種類の野菜を栽培しています。

取材した11月には、ブロッコリー・カリフラワー・キャベツ・にんじん・ほうれん草や小松菜などの葉物類を栽培中でした。

また、同じ野菜でも、収穫時期の違う複数の品種を組み合わせて、出荷が途切れ無いように工夫しているそうです。

丸山さん手作りの防虫ネット

農薬を使用しない栽培で活躍するのが、「防虫ネット」。

苗を植えてから冬まで、害虫の侵入を防ぐ大事な役割を果たしています。
畑のブロッコリー・カリフラワー・キャベツには8×50mの巨大な防虫ネットがかかっていました。

実はこれ、市販のものを縫い合わせた、丸山さんの手作り!

一般的には1列ごとにかけるのですが、丸山さんは作業効率を上げるため巨大な防虫ネットを一気にかけています。

こういった工夫があるからこそ、広い面積の栽培が可能になるんですね。

丸山さんの畑の不思議

草むしりなしでも雑草が生えない

「草むしりを全然しなくても、雑草が生えてこないんですよね。」と丸山さん。

 

有機農家さんの仕事の7割は雑草との戦いだといわれています。

しかし、丸山農園の畑には不思議と雑草がなく、驚きを隠せない(みっくすなっつ)編集部。

 

その理由は、太陽熱養生処理にありました。

夏場の太陽の熱を利用して、土壌中の病害虫や雑草の種を死滅させる効果のある、「太陽熱処養生処理」を毎年実施しているそう。

 

この処理を取り入れてから、格段に雑草が生えにくくなったといいます。

さらに、ブロッコリーやカリフラワーは中耕(※)を実施。

野菜と野菜の間を中耕することで、雑草の発生を防げるのです。

※中耕とは、栽培中に野菜と野菜の間の土の表面を浅く耕すこと。

悩みは「野菜が大きくなりすぎること」?!

多くの農家さんは野菜が育たないことで悩むのですが、「野菜が大きく育ちすぎてしまう」という変わった悩みを持つ丸山さん。

ミニカリフラワーを栽培しても、普通のカリフラワーと同じ大きさになってしまうそう。

ブロッコリーやカリフラワーは、葉っぱをどれだけ大きくするかで、蕾(食べる部分)の大きさが決まるといわれています。

丸山さんの畑で栽培しているカリフラワーは、食べない葉っぱの部分まで大きい!
カリフラワーにかけてある防虫ネットを押し上げる勢いで成長していました。

まだまだ成長途中ですが、収穫する時期になると丸山さんの腰のあたりまで、大きくなるんだとか。

大きく育ってしまう理由は土づくりにありました。

植物は根が土の中で呼吸をしながら、養分と水分を吸収し、成長していきます。

根が呼吸するには、土の中にある程度のすき間が必要です。
ガチガチに固まった土壌では、根が大きく張れずたくさん呼吸することができません。

丸山農園の畑は、根の張りを意識した土づくりを行うことで、野菜が大きく育ちます。

土づくりに欠かせないのが、丸山さんが独自にブレンドしたたい肥。

たい肥は、落ち葉や家畜のふん尿などを発酵させた有機質肥料で、土の中にすき間を作る効果があります。

丸山さん独自のたい肥

畑から車で5分くらいの距離に約200Lのたい肥が保管できる部屋が並ぶ、丸山さん専用のたい肥場があります。

丸山さんのたい肥は、牛ふん・豚ふん・木材のチップ・微生物を混ぜた米ぬかが原料。
牛ふんは愛知県半田市、豚ふんは愛知県南知多町など、地元で調達しています。

根を伸ばすなら木材のチップを多めに、肥料分を増やすなら豚ふんを多めに、など長年の経験から得た独自の配合で配合し、微生物の力で醗酵させます!
醗酵中は中の温度が60~70度になるそうです。

たい肥を配合してからは10日に1回、重機で移動させながら混ぜるのですが、これがとっても重要。
この作業は「切り返し」と呼ばれ、水分調整や新鮮な空気をたい肥中に送り込む効果があります。

たい肥をそのままにしておくと、水分過多や酸素不足となり、微生物が死んでしまう原因に。

一日がかりの大変な作業ですが、微生物の過ごしやすい環境を整えるために、「切り返し」は欠かせません。

この作業を繰り返し、約40日でたい肥の完成です。

丸山さんに聞いてみた!

カリフラワーのおすすめの食べ方は?

編集部

カリフラワーのおすすめの食べ方を教えてください。

生で食べるのが美味しいですね。

一般的な白色カリフラワーは届くまでに黒っぽくなってしまうことがあり、オレンジのカリフラワーの栽培を始めました。

このオレンジカリフラワー、甘みが強く茎がコリコリしていて美味しいですよ。

サラダ以外はもちろん、カレー粉とマヨネーズを和えたものでバーニャカウダー風にしても◎

丸山さん

1月に収穫予定のオレンジカリフラワー。成長するにつれオレンジ色が強くなる

組合員さんへメッセージ

編集部

組合員さんへのメッセージをお願いします。

近年、環境の変化が激しく、自然災害が近年多発しています。
今年も冬野菜の植え付け時期に大雨の被害に遭い、苗が流されてしまいました。

年々畑づくりが大変になっているような気がします。

でも、買い支えてくださる組合員がいるので、安定した生産ができるようにいろいろ考えて、頑張っていきたいです。

これからもよろしくお願いします!

丸山さん

大雨の被害を乗り越えたカリフラワー

実は、当初9月に取材を予定していた丸山農園。
しかし9月12日の大雨で甚大な被害が出て、延期となってしまいました。

丸山さんの畑は山の中間地に位置しているため、上の畑から土砂が押し寄せ、ブロッコリーやカリフラワーの苗はほとんど流されてしまったそうです。

11月に訪れた時には、苗の植え直しが完了し、すくすくと順調に育っているとのことで安心しました。

しかし、畑の近くの道路は2か月たっても復興中で、被害の大きさを物語っていました。

有機農業は自然環境への負荷が少ないといわれています。


このような気候変動を少しでも食い止められるよう、有機農業へシフトしていくことも重要なのだと考えさせられました。

 

2024年1月3回のカタログでは、丸山さんのカリフラワーを特集します。
甘みのぎゅっと詰まったカリフラワーをぜひ食べてみてください。

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編集担当もえぞー

2022年アイチョイス入協、30代、夫と2人暮らし。
家庭菜園歴8年目で現在、有機栽培に挑戦中です!
前職では農家さんを相手に野菜の栽培指導をしていました。
ナッツは塩茹でした落花生が大好き♪