投稿日2023.8.25
取材日2023.7.29
ビオトープ米を育てる「知多の恵みグループ」へ、生育観察に行ってみた!
今年で3年目となる「ビオトープ米プロジェクト」。
6月上旬にビオトープ米の田植え体験をおこないました。
7月末、今度はビオトープ米の生育状況を観察しに、再び田んぼへ!
田植えから約1か月半後、植えた稲や生き物たちはどのようになっているのでしょうか。
目次
ビオトープ米の生育観察で確認すべきこと
今回、ビオトープ米の生育観察で確認するべきことは以下の2つです。
稲の生育状況
まずは田植えをした苗がどれだけ大きく育っているかを確認します。
また、農薬を極力使わない栽培をおこなっているビオトープ米。
除草剤は一度しか使用しないので、通常よりも雑草が生えやすくなっています。
雑草が生えてしまうと、土壌に含まれる成分・水分が雑草に奪われ、稲の生育が悪くなり、収穫量が減少する可能性も。
お米の収穫量が減ってしまうと、生産者の収入低減・お米の値上げにつながることもあります。
生き物の観察
有機の田んぼを拡げる取組みであるビオトープ米プロジェクトは、「人と生き物が調和できる田んぼ」を目指しています。
そのため、生き物の観察も重要なミッションのひとつです。
ビオトープ米の生育観察に行ってみた!
組合員さんとともに、ビオトープ米づくりをおこなう「知多の恵みグループ」へ生育観察に行ってきました!
今回も「知多の恵みグループ」の杉浦さんに、稲の生育状況や生息する生き物について教えてもらいましたよ。
実際の稲の生育状況
ビオトープ米の田んぼでは、植えた当初15cm程度だった稲が50cmまで伸びています。
杉浦さんによると、今年の稲の生育状況は順調とのこと。
6月に1株3本で植えた苗は、茎の本数が増えており、18から20本程度になっていました。
これは「分けつ」と言い、稲は土に根付いたあと、生長とともに新しい茎が枝分かれのように増えていきます。
分けつした稲は、そのあと上へ伸びて稲穂を付ける準備がはじまるそうですよ。
自分たちで植えた稲が大きくなっているのを見て、みなさんうれしそう◎
仕事の7割が雑草との闘い
有機農家の仕事は、7割以上が雑草との闘いです。
ビオトープ米も農薬を極力使わない栽培方法のため、雑草の管理もかなりの苦労があります。
お米を育てるうえで駆除したい有害雑草の代表的なものが、「ヒレタゴボウ」と「クサネム(通称:マメノキ)」。
稲の近くに生える雑草で、生長スピードが速く、上に高く伸び続けてしまいます。
大きくなるとどちらの雑草も1メートルを超える高さになってしまうのだとか。
手で持ってみると、いかに大きな雑草なのかが伝わりますよね・・・!
杉浦さんは稲を傷つけないよう工夫しながら、雑草を抜いたり草刈り機で刈ったりしているそうです。
田んぼは、水を張っておくことが一番の雑草の抑制になります。
しかしビオトープ米の田んぼは高低差があるため、田んぼの水が抜けやすいのが特徴です。
場所によっては、水が抜けることによって乾燥し、ひび割れが起こるケースも。
また、「モグラ」や「ザリガニ」などの生き物が、田んぼに穴をあけることも水が干上がる原因になります。
ビオトープ米の田んぼでは、初期除草剤を1度だけ使用しています。
しかし水が干し上がって日に当たってしまうと、除草剤の成分は分解されてしまい、効果が薄くなってしまうのだとか。
組合員のみなさんと、雑草の除去を少しだけお手伝い◎
みなさん暑いなか、がんばって雑草を抜いていました。
自分たちで植えたお米が順調に育ちますように・・・!
田んぼに生息していた生き物
続いて、ビオトープ米を育てるうえで重要な生き物観察!
子どもたちは、日頃見ることが少ない田んぼの生き物調査に張り切っていました◎
※以下、生き物の写真がありますので、苦手な方はご注意ください。
田植えのときに泳いでいた、オタマジャクシでしょうか。
しっかりカエルに成長してくれています。
街中では少なくなったトンボが、田んぼの上や周りで飛んでいる姿を見かけました。
水辺をすみかとするトンボも、田んぼの近くなら見られます。
今後、有機栽培の田んぼを目指す過程で、さらに多くの生き物が見られるとうれしいですよね。
参加者の組合員さんに聞いてみた!
今回、ビオトープ米の田植え体験からご参加いただいている遠藤さん親子。
2人でなかよく生き物を観察している姿が微笑ましかったです◎
参加理由
編集部
ずっと農作業をしてみたいなと思っていたのですが、自宅には畑がなくて・・・。
そんなときに、アイチョイスでビオトープ米の田植えから収穫までを体験ができる機会あると知って、応募しました。
娘も今回の生き物観察をとても楽しみにしていたんですよ。
遠藤さん
生育観察の感想
編集部
生育観察に参加してみた感想を教えてください。
田植え体験時に自分たちで植えた稲がしっかり大きくなっていたので、わが子が育ったようなうれしさと達成感がありました。
ふだんは虫に関心のない子どもたちが自然に触れ、さまざまな生き物を見つけてはよろこんでいたのが印象的でしたね。
遠藤さん
生き物の住みやすい田んぼをめざして
今回は、ビオトープ米の生育観察についてご紹介しました。
ビオトープ米は、通常のお米づくり以上に管理が重要となってきます。
できる限り農薬を使わない栽培方法であることや田んぼの特徴から、ビオトープ米の田んぼに雑草が生えやすいことはたしかです。
しかし生産者のみなさんは毎日水の管理をしたり、雑草を定期的に抜いたりと稲が育ちやすいように田んぼを整備しています。
田んぼに住む生き物にとっても、住みやすい環境を整えていることがわかりました。
ビオトープ米プロジェクトをはじめて、稲の収穫量や生き物は確実に増え続けています。
わたしたち一人ひとりが意識してビオトープ米を生活に取り入れ、生き物にとって住みやすい田んぼにしていきましょう!
ビオトープ米の生育観察に関する動画はこちら
編集担当あかにー
2023年にアイチョイス入協。沖縄出身の30代。
恋人・フェレット3匹・ハムスター2匹・犬1匹・猫1匹の大家族。
製菓学校卒業後はパティシエやバリスタとして7年勤めていました。
最近はアイチョイスの食材を使ったお菓子づくりにハマり中。
ナッツは、カフェラテと相性抜群のアーモンドが好き。
今回のイベントに参加したいと思ったきっかけはなんですか?