調味料として使われる食品添加物は体に悪い?使用目的と使用食品例

食品の原材料名に「調味料(アミノ酸)」のように記載されている場合、食品添加物の調味料が使用されています。
食品添加物と聞くと、「体に悪そう・・・」というイメージをお持ちではありませんか?

今回は、食品添加物の調味料が本当に体に悪いのかを解説します。

食品添加物の調味料は本当に体に悪い?

国内で調味料として使用されている食品添加物は、安全です。
日本で使用されている食品添加物の調味料は、食品衛生法に基づき、厳しい安全試験と厳格な審査をクリアしたもののみが流通しています。

食品衛生法では、人体に悪影響がない食品添加物しか使用を認めていません。
使用が許可されている食品添加物でも、継続的な安全を確保するために、成分規格を策定したり、添加できる上限値を定めたりしています。

たとえば、調味料として使われる食品添加物として有名な「グルタミン酸ナトリウム」の場合でも、世界的にも安全性が証明。

1980年にアメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)により、グルタミン酸ナトリウムは安全な物質であると評価されました。

加えて、国連食糧農業機関と世界保健機構の合同食品添加物専門家会議でも、その安全性が認められているのです。

調味料として使われる食品添加物(1)アミノ酸

「調味料」の一括表示ができる添加物の範囲に含まれているものは、下記の通り大別できます。

アミノ酸とは?

アミノ酸は食品添加物として使用される調味料の一種で、「調味料(アミノ酸)」と表示されます。
主な成分には、グルタミン酸ナトリウム、L-イソロイシン、DL-アラニンなどが含まれ、指定添加物や既存添加物に分類。

なかでも、グルタミン酸ナトリウムは昆布に含まれるうま味成分として有名です。
うま味の要となるこれらのアミノ酸は、料理に使用すると複雑な味わいが生み出され、深みが出るといわれています。

アミノ酸の使用目的と食品例

アミノ酸は、食品にうま味成分を加えるために使用され、味を整える役割があります。
たとえば、昆布やかつお節に含まれるうま味成分が、酸味や苦味を軽減し、料理全体の味のバランスを整えるのです。

インスタント食品やスナック菓子など、加工品に多く利用。

しかし、「調味料(アミノ酸)」をはじめとする食品添加物についての安全性や健康への影響を懸念する声が高まっています。

近年は素材本来の味を大切にした、食品添加物に頼らない食品を選ぶ方が増え、食品表示ラベルの表示内容をチェックする習慣が広がるなど、食品添加物への関心が食の選択に大きな影響を与えているのです。

アミノ酸の体への影響とは?

食品添加物としてのアミノ酸は厳しい安全試験をクリアしたうえで、使用されています。
試験では、人が日常的に摂取する量の数千倍もの濃度を用い、安全性を確認しているのです。

しかし、高温調理において、食品添加物の特定のアミノ酸(アスパラギン酸)と果糖やブドウ糖が化学反応を起こすと、発がん性物質であるアクリルアミドが生成。

アクリルアミドは摂取量を適切に管理することが推奨されています。

「調味料(アミノ酸)」は食品の味を引き手たる重要な存在ですが、過剰摂取を避け、バランスよく食事を楽しむことが大切です。
食品本来のうま味を活かす調理を意識し、素材本来の味わいを大切にすることで、健康的な食生活を送ることができるでしょう。

調味料として使われる食品添加物(2)核酸

核酸とは?

核酸は、かつお節や煮干し、肉などに含まれているうま味成分のひとつ。
調味料として使われる食品添加物の核酸は、5´-イノシン酸二ナトリウムや5´-グアニル酸二ナトリウムを成分とした、5´-リボヌクレオチド塩です。

いずれも指定添加物に分類されるうま味調味料で、原材料名には、「調味料(核酸)」と表示されます。

核酸の使用目的と食品例

核酸は、グルタミン酸ナトリウムと一緒に使用することで、強いうま味を出す相乗効果が期待できます。
そのため、スープやブイヨン、風味調味料、加工食品などのさまざまな料理や食品に使用されているのです。

核酸が含まれている食品としては、インスタントスープやカップラーメン、固形スープの素、冷凍食品の調味料などが挙げられます。
「調味料(核酸)」と表示されていますよ。

核酸の体への影響とは?

核酸の成分であるプリン体は、過剰摂取すると痛風のリスクを高める可能性が指摘されています。
プリン体は細胞内に含まれるため、体内に蓄積されることがあるのです。

また、妊娠中に拡散を多量に摂取すると胎児に影響が出る可能性が指摘されており、取りすぎには注意しましょう。

調味料として使われる食品添加物(3)有機酸

有機酸とは?

有機酸は、クエン酸カルシウムやクエン酸三ナトリウム、貝類のうま味成分であるコハク酸ナトリウムなどがあり、指定添加物に分類。
有機酸を食品添加物の調味料として使用した際は、「調味料(核酸)」と表示します。

有機酸の使用目的と食品例

有機酸を調味料として使用する目的は、以下の通りです。

食品添加物の調味料の有機酸が含まれる食品は、清涼飲料水や菓子類、インスタントラーメンなどです。

有機酸の体への影響とは?

有機酸の一つであるクエン酸は、柑橘類の酸味の主成分としてよく知られており、食品添加物としても長い間使用されています。
食品添加物や薬品の使用実績において問題は認められていません。

外国ではクエン酸の毒性評価で、1日摂取許容量を設定する必要はないと評価されているほどです。

調味料として使われる食品添加物(4)無機塩

無機塩とは?

無機塩は、食品添加物として使用される成分で、代表的なものに塩化カリウムや、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムなどがあります。
無機塩が食品添加物として使用されている場合、「調味料(無機塩)」と表示。

無機塩の使用目的と食品例

無機塩の主な役割は、減塩効果を実現することです。
塩化カリウムは、食塩と似た塩味を持っており、食塩の一部を塩化カリウムに置き換えることで、摂取する塩化ナトリウム量を抑えられます。

食塩を10~15%程度減らすことが可能で、減塩醤油や低塩分食品などに使用。
その他にも、無機塩は清涼飲料水や粉ミルク、さらには試薬や医薬品、工業用にも利用されています。

幅広い用途で使用されているため、身近な食品から意外なところまで存在しているのです。

無機塩の体への影響とは?

塩化カリウムを含む減塩食品は摂取量に注意が必要です。
過剰摂取すると、体内のミネラルバランスが崩れ、高カリウム血症や低血圧を引き起こす可能性があります。

2020年にフランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、塩化カリウムを用いた塩の使用について、健康リスクの可能性があることを公表しました。

とくに、高血圧や心不全、糖尿病などの疾患を持つ人が塩化カリウムを摂取しすぎると、血清カリウム異常のリスク要因であると報告されています。
そのため、減塩食品であっても食べ過ぎには注意が必要です。

無機塩は、減塩を実現するために役立つ一臂で、過剰摂取や特定の健康状態によっては、リスクも伴います。
食品表示を確認しながらバランスよく摂取し、健康的な食生活を心がけましょう。

化学調味料は正しい名称ではない

食品添加物の調味料はかつて、「化学調味料」と呼ばれていた時期がありました。
しかし、化学調味料という呼び方は、今では正しい名称として使われていません。
化学調味料という言葉にネガティブな印象を持つ人も多いからです。

現在では「うま味調味料」という名称が使われています。
アイチョイスでは化学調味料を「調味料(アミノ酸等)」と端的に伝える用語として使用。

季節の味覚や素材本来の持ち味を大切にしたいという想いから、化学調味料ゼロ宣言の生協として活動しています。

食品添加物の調味料に関するよくある質問

食品添加物の調味料に関して、よくある質問にお答えします。

調味料は食品添加物ですか?

調味料といっても、すべてが食品添加物ではありません。
一般的にイメージする、醤油やみそなどの調味料は食品です。

食品添加物として扱う調味料は、昆布やかつお節のうま味成分を化学合成・抽出したもの。
アミノ酸や核酸、有機酸や無機塩が食品添加物の調味料に該当します。

グルタミン酸ナトリウムがアメリカで禁止された理由は何ですか?

グルタミン酸ナトリウムはアメリカで禁止されていません。

しかし、グルタミン酸ナトリウムが使用されていないことを「no-MSG」として表示されている製品もあります。

化学調味料という言葉はなぜ使っちゃいけないの?

「化学調味料」という言葉は、もともと、具体的な商品名の表示を避けるために使用されたのが始まりです。

しかし、食品に対して使われる「化学」という言葉に悪い印象を持つ人が増えたこと、「うま味を与える」という商品の特徴を表現できていないことから、「化学調味料」という言葉は使用されなくなりました。

食品添加物の調味料を正しく理解して安心な食事を楽しもう

調味料として使われる食品添加物は、以下の4つに大別されます。

食品添加物と聞くと体に悪いイメージが付き纏いがちですが、食品添加物が入っているからといって、体に悪いわけではありません。
食品添加物の調味料も、食品衛生法に基づき安全性が確認されています。

しかし、アイチョイスは自然の力で味わう、本来のおいしさを「素材本来の味わいこそが真のおいしさ」という想いのもと、食品添加物に頼らない食品づくりを追求しています。

昆布やかつお節など、自然由来のうま味を活かした調理はシンプルでありながら豊かな味わいを提供。

食品添加物を正しく理解しつつ、素材本来のおいしさを楽しむことで、心も体も満たされる食生活を目指しませんか?

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