投稿日2024.8.16
家庭菜園初心者がプランター栽培を始める方法!有機栽培での育て方も紹介
家庭菜園をしてみたいけど、初心者は何から始めればいいか迷うもの。
今回は家庭菜園歴8年のもえぞーが、初心者にも挑戦しやすい「プランター栽培」についてご紹介します。
畑と比べて管理がしやすいので、初心者でも簡単に育てられますよ。
また、有機栽培で育てる方法もお伝えします。
目次
【初心者向け】プランター家庭菜園おすすめ野菜20選(五十音順)
アスパラガス:一度植えると数年収穫できる!
アスパラガスは「多年草」なので、一度植えると何年も収穫できる野菜です。
うまく育てると10~15年も収穫できるんだとか。
初心者は種から育てるよりも、「根株」と呼ばれる苗を植えるのがおすすめ。
10cmくらい土を入れたプランターに「根株」をできるだけ広げて置きます。
上から土を5cmくらいかぶせたら植え付けは完了です。
アスパラガスは揺れに弱い植物なので、生長に合わせて倒伏防止のために支柱を立てるのがポイント。
収穫期間も長いので、毎月の追肥を欠かさずに。
グリーンアスパラガスの収穫に飽きたら、ホワイトアスパラガスに挑戦することも可能。
日光に当てずに作ればホワイトアスパラガスになるんです。
バケツなどをかぶせて挑戦してみてくださいね。
大葉(しそ):生命力が強くたくさん収穫できる
暑さに強いしそは、初心者でも栽培しやすいおすすめの野菜です。
取れたてほどさわやかな香りが楽しめるので、夏にあると重宝すること間違いなし。
深さ1cmの溝にすじまき(※)し、種が隠れる程度に薄く土をかぶせます。
本葉4枚くらいのタイミングで、間引きをしましょう。
背丈が30cmくらいになったら、中心の茎の先端を切る「摘芯」を行います。
収穫時に葉の裏側を触らないようにすると、香りをより楽しめますよ。
収穫後の擦り洗いは厳禁です。
※すじまき・・・種まきする場所に直線ですじを付け、種をまく方法。
間引きをする野菜におすすめ。
オクラ:暑さと病害虫にも強くて育てやすい
真夏の暑さにも強い「オクラ」。
オクラも初心者が育てやすい野菜の一つです。
オクラはアフリカ原産であり、寒さに弱いため、種まきのタイミングに注意が必要です。
気温が低いときに種をまいても芽は出ません。
オクラには果実の断面が角形のものと丸形のものがあります。
なかでも丸形の「ヘルシエ」は、実が大きくなりすぎても、固くなりにくい特徴があるので初心者におすすめです。
オクラの害虫といえば「アブラムシ」。
風通しをよくすることでアブラムシの発生は防げるので、収穫した果実より下に生えている葉っぱはすべて摘み取ります。
気を付けたいのがトゲです。
新鮮なオクラほど鋭いトゲがあるので、収穫する際は手袋をしましょう。
オクラの表面に生えている産毛は口当たりが悪いため、調理前にはオクラに塩をかけ、こすり洗いして表面の産毛を取り除くことをおすすめします。
きゅうり:開花から1週間で収穫でき、たくさん収穫できる!
驚きの収穫量を誇るきゅうりも初心者におすすめの野菜です。
家庭菜園できゅうりを育てる際は、「暑さに強い」「病気に強い」品種を選びましょう。
きゅうりは、野菜の中でも生育スピードが早く、ツルが旺盛に伸びるのが特徴。
生育初期は樹を大きくするために、株元から5~6節までの雌花と側枝は早めに摘み取るのがポイントです。
適度にツルと葉を切ることで、風通しがよくなり、病気を防げます。
曲がっているきゅうりを見つけたら、水や肥料切れの合図です。
とくに、夏の暑い時季は水が乾きやすいので、朝晩2回の水やりを行います。
追肥は2週間ごとに行いましょう。
きゅうりは、翌日にはヘチマくらいの大きさまで育つこともあるため、収穫のし忘れにも注意が必要です。
育ち過ぎたきゅうりは皮が固くて食べにくいので、こまめに収穫しましょう。
小松菜:暑さや寒さに強く家庭菜園向け
小松菜は真夏以外のほぼ通年栽培可能で、栽培期間が短く初心者にも挑戦しやすい野菜です。
中でも害虫の被害の少ない秋まきから始めるのがおすすめ。
条間15cmですじまき(※)します。
3~4日で発芽するので、2回に分けて間引きを行い、本葉3~4本のときに株間を5~6cmにしましょう。
このタイミングで追肥も行いますが、あげすぎはえぐみに影響が出るので、適量を散布してください。
種まきの際に防虫ネットをかけると、虫の被害が予防できます。
※すじまき・・・種まきする場所に直線ですじを付け、種をまく方法。
間引きをする野菜におすすめ。
ししとう:毎日収穫できるかも!ピーマンよりも簡単です
暑さに強く、たくさんの実を付けることから、ししとうは初心者におすすめの野菜。
トウガラシのような辛みは基本的にはありませんが、水不足や肥料不足によってストレスがかかると、辛みが出てしまうので、注意が必要です。
最初に咲いた花は摘み取り、樹をしっかりと作ってください。
ピーマンも同様です。
収穫期間が長いので、肥料が不足しないよう、2週間に1回のペースで追肥を行いましょう。
ししとうはナス科の野菜なので、連作ができません。
昨年ピーマンやなすなどを栽培したプランターでは栽培を控えてくださいね。
じゃがいも:失敗が少なく子どもと収穫を楽しめる
栽培期間中の管理が少ないので、時間がないけどプランター栽培をしてみたい人におすすめなのがじゃがいもです。
春と秋の年2回栽培ができますが、初心者には春に植えるのがおすすめ。
春のほうが栽培できる品種が多く、暖かいので、大きくなる傾向があります。
種イモを日の当たるところに並べて芽出しを行ってください。
芽が1cmくらいになったタイミングでプランターに植え、10cmくらい土をかぶせます。
葉茎が黄色くなり枯れてきたら収穫しましょう。
じゃがいもで発生しやすい害虫はアブラムシです。
アブラムシによってモザイク病という病気を発生する可能性も。
葉の裏をしっかり確認し、ガムテープなどで捕獲するようにしてくださいね。
なす:難易度の高い野菜にチャレンジしたい人におすすめ
夏から秋まで収穫できることが有名で、「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがあるほど。
美味しい秋なすを嫁に食べさせるのはもったいないという、姑の意地悪な気持ちが表現されているという説があります。
夏は皮が厚くて実がおおぶりに、秋は実ができるまでに時間がかかるため、実が詰まり旨みが増すんです。
初心者は接木苗から育ててください。
低温による被害を受けると、なすの葉が丸まってしまうので、十分温かくなってから植えましょう。
栽培する際に気を付けたいのが、脇芽の選定方法です。
「切り戻し選定」と呼ばれる方法だと、品質のよいなすが収穫できますが難しいので、初心者はある程度放任し、夏に「更新選定(※)」を行うことをおすすめします。
※更新選定・・・各枝の葉を2枚くらい残し、その他はすべて切り落とす方法。
秋に向けて樹を休ませる効果がある。
ニラ:次々と生えてくる!数年間収穫が続きます
ニラは多年草という、野菜では珍しいタイプなので、植えておくだけで年に4~5回の収穫が可能。
春まきと秋まきができ、収穫は翌年から始まります。
種まきからも始められますが、初心者は苗を植えるのがおすすめです。
購入した苗は、1か所につき6~8本まとめて植えましょう。
草丈が20~25cmになったら、根元から3~4cmのところで刈り取り収穫します。
次に収穫できるのは約20日後。
たくさん収穫するためにも収穫した後には追肥を欠かさずに行ってくださいね。
にんにく:冬の間はほぼほったらかしで栽培可能!
にんにくは、大まかに寒地・暖地向けの2種類があります。
自分の地域に合った品種を選ぶことで、難易度がぐっと低くなりますよ。
にんにくの鱗片は1片ずつにはがし、4~5cmくらいの深さに植え付けます。
薄皮は付いていても問題ありません。
にんにくは過湿に弱いので、水やりは土が乾いてから行うのがポイント。
追肥は翌年に2回ほど行ってくださいね。
4~5月ごろに「トウ」と呼ばれる花茎が伸びるタイミングがあり、収穫して「にんにくの芽」として食べられます。
にんにくの芽と呼ばれていますが実は茎を食べているんです。
ハーブ(バジル・ミント・パセリ):場所を選ばず育てられる
ハーブ類は鮮度が落ちやすいため、プランターで栽培すれば摘みたての香りを楽しめます。
日照りが続くと葉が固くなりやすいため、日陰になる時間帯のある場所での栽培がおすすめ。
他の野菜だと日当たりが悪くてうまく育たない・・・という人に挑戦してみてほしい野菜です。
ハーブ類はアオムシの被害に遭いやすいので、注意が必要。
虫食いの跡を見つけたら、近くの葉にアオムシがいるかもしれません。
定期的に様子を見るようにしてくださいね。
葉ねぎ(青ねぎ):繰り返し収穫できて育てやすい
白ねぎの栽培は難易度が高いですが、葉を食べる「葉ねぎ」ならプランターでも簡単に栽培できるんです。
条間20cmのすじまき(※)で、5mmほど土をかぶせてしっかり押さえます。
ねぎの種は「嫌光性種子」と呼ばれ、日光が当たりすぎると発芽しにくくなる特徴が。
しっかりと土をかぶせることで発芽率が上がります。
草丈が30~40cmになったら、株元を30cmくらい残してハサミで切り取りましょう。
切ったところから新しく生えてくるので、繰り返し収穫できます。
収穫時には追肥も忘れずに。
※すじまき・・・種まきする場所に直線ですじを付け、種をまく方法。
間引きをする野菜におすすめ。
パプリカ:ピーマン栽培経験者に挑戦してほしい野菜
パプリカはピーマンの仲間ですが、収穫までの期間が長く、実は難易度が高いのが特徴。
ピーマンの栽培に慣れてきた人に挑戦してもらいたい野菜です。
こまめな追肥と水やりを行うことで、形のきれいなパプリカが収穫できます。
基本的に栽培方法はピーマンと同じですが、パプリカのほうが実が大きいため、しっかりと支柱で樹を支えてください。
花が咲いてから収穫するまでに約2か月かかるといわれ、その分ピーマンよりも病害虫の被害に遭う可能性が高いです。
実を防虫ネットで覆うなどの対策をして、丁寧に育ててくださいね。
ピーマン:暑さに強く、たくさん収穫できる!
南アフリカ原産で夏の暑さに強く、上手に栽培できれば秋ごろまで収穫できます。
こまめな管理は必要なく、放任していてもある程度収穫できるので、家庭菜園初心者におすすめです。
ピーマンを栽培する際のポイントは、樹をしっかりと作ること。
1番花より下の脇芽は早めに摘み取り、1番花も見つけたらすぐに摘み取ることで、樹全体に栄養が回り、秋まで収穫できます。
収穫時には、ヘタが六角形になっているかを確認しましょう。
肥料や水が足りない場合ヘタが五角形になってしまうので、ピーマンを育てる際は、2週間ごとにしっかりと追肥を行うのもポイントです。
近年、カラーピーマンが流行していますが、作り方が少し異なります。
育てる場合は注意しましょう。
ベビーリーフ:3週間程で収穫できる初心者向け野菜
ベビーリーフは、栄養がたっぷり詰まった新芽だけを摘み取って食べるのが特徴。
レタスやほうれん草、チコリーなどさまざまな野菜の種がミックスされたものを購入すれば、色や食感の違いを楽しめます。
条間10cmですじまき(※)をし、軽く土をかぶせましょう。
双葉が出揃ったら生育のよくないものを間引きをしてください。
草丈が8cmくらいに生長したら、株間が7~15cmになるよう、さらに間引きを行います。
草丈が15cmくらいになったら収穫です。
※すじまき・・・種まきする場所に直線ですじを付け、種をまく方法。
間引きをする野菜におすすめ。
ほうれん草:寒さに強く、12月でも栽培可能
小松菜と栽培方法はほとんど同じですが、土の酸度が高いと生育が悪くなってしまうので、注意が必要です。
アルカリ性の土を好むので、苦土石灰を混ぜてくださいね。
条間15~20cmのすじまき(※)をします。
その後は小松菜と同様に、2回間引きを行ってください。
ほうれん草は寒さに当たるとおいしくなるんです!
「寒締め」と呼ばれ、寒さに耐えるために糖を葉に蓄えることで甘みが増し、ビタミン含量も増えるといわれています。
ぜひお試しください。
※すじまき・・・種まきする場所に直線ですじを付け、種をまく方法。
間引きをする野菜におすすめ。
水菜:30〜40日程で収穫できて簡単に育てられる
間引きしながら食べられる「水菜」も家庭菜園初心者におすすめの野菜です。
水菜の特徴は、他の野菜にはないシャキシャキとした食感。
小さいものはサラダ用、大きくなったらお鍋用と、成長段階に応じてさまざまな料理に使用できる点も魅力です。
条間15cmですじまき(※)します。
水菜はもともと発芽率の高い野菜ですが、発芽するまで毎日水やりを行うことで、より発芽率を高められますよ。
肥料は与えすぎるとえぐみの原因になるので、必要最低限の量で構いません。
水菜を育てる際は、害虫対策として種まきと同時に防虫ネットや不織布をかけておくことも大切です。
※すじまき・・・種まきする場所に直線ですじを付け、種をまく方法。
間引きをする野菜におすすめ。
ミニトマト:小学校の授業でも成功!子どもと楽しめます
家庭菜園初心者におすすめしたい野菜はミニトマトです。
小学校の生活の授業で栽培の題材として使用されるほど、ミニトマトは初心者でも育てやすい野菜のひとつ。
ミニトマトの種類は多く、赤色や黄色さらに黒色やピンク色のものまでありますが、初心者には果実が割れにくい「アイコ」「TY千果」がおすすめです。
栽培する上での一番のポイントは、「脇芽は早く摘み取ること」。
放っておくと病害虫の発生の元になるほか、枝葉ばかりに栄養が行き、果実が大きくならないことがあります。
脇芽は早めに摘み取り、おいしいミニトマトを作りましょう。
ラディッシュ:20日で収穫できる初心者向け
サラダに入っていると鮮やかになるラディッシュは、別名「二十日だいこん」といわれるほど、栽培期間が短いのが特徴です。
条間10cmですじまき(※)します。
本葉が2枚になったころに、5cm間隔になるように間引きを行いましょう。
土が乾燥していると、変形や割れの原因になるので注意が必要です。
水やりを欠かさずに行ってくださいね!
※すじまき・・・種まきする場所に直線ですじを付け、種をまく方法。
間引きをする野菜におすすめ。
リーフレタス:必要な分だけ収穫でき、長期間楽しめる
サニーレタスは、スーパーで目にするような株ごと収穫する以外に、外葉から順に1枚ずつ収穫でき、収穫が長いのがおすすめポイント。
条間10cmのすじまき(※)します。
土は種が深く埋まりすぎないよう、薄くかぶせましょう。
リーフレタスの種は好光性種子と呼ばれ、光に反応して発芽する性質を持っているので、深く埋めすぎないように注意が必要です。
間引きは草丈に合わせて2~3回行います。
間引きをした葉っぱはベビーリーフとして食べられますよ。
草丈が25cmくらいになったら、外側の葉から順に必要な量だけ収穫しましょう!
※すじまき・・・種まきする場所に直線ですじを付け、種をまく方法。
間引きをする野菜におすすめ。
プランター家庭菜園初心者におすすめの道具はこれ!【100均でも可】
家庭菜園初心者がプランター栽培を始めるには、次の道具を揃えましょう。
- プランター、鉢底ネット
- 培養土
- 軍手
- スコップ
プランターはいろいろな種類がありますが、土容量が30~40Lくらいの大きなものを用意するのがおすすめ。
サイズが小さいと根の伸びる広さが十分ではなく、野菜が大きく育たないことがあります。
プランターが小さいほど土が乾きやすいので、こまめな水やりが必要です。
大きなプランターを置くのが難しい人は、小さいプランターでも栽培可能なラディッシュやしそなどの根の張りが浅い野菜を選びましょう。
培養土は、ホームセンターなどで購入できます。
アイチョイスで取り扱っている日用品カタログ「キャロット」でも培養土を取り扱っている(※)ので、ぜひチェックしてみてくださいね。
有機野菜を育てたい方は「有機栽培用」と記載がある土を選びましょう。
化学肥料が入っておらず、有機質肥料がバランスよく配合されています。
軍手は手が汚れるのを防ぐだけでなく、怪我を防止する効果も。
スコップは土をプランターに入れるときや、野菜を植えるときに使用します。
※タイミングにより取り扱いがない場合があります。
プランター家庭菜園の始め方【初心者もミスしないおすすめ手順】
ステップ1:野菜を選ぶ
いざ野菜を栽培しようとすると、種から育てるのか、苗から育てるのかどちらがいいのか迷うと思います。
初心者は小松菜やほうれん草、しそなどの葉物野菜は種から栽培し、なす、トマト、ピーマンなどの実野菜は苗から育てるのがおすすめです。
苗から育てるメリットはなんといっても手間と失敗のリスクがかからないこと。
「苗半作」という言葉があるほど、苗の出来がその後の生長を左右するくらい苗づくりは重要だといわれています。
発芽に必要な温度を保てないと種をまいても発芽しなかったり、大きくなるまでに枯れてしまったりする可能性が。
苗から育てることで、少しでもリスクを回避できるといいですね。
苗を購入する際は、「葉の色」「茎の太さ」に注目してみてください。
光合成がしっかりとできている苗は、葉の色が濃く、茎の節と節の間が短くて太いんです。
よい苗を見極めて栽培を成功させましょう!
苗はホームセンターや園芸店などで購入可能です。
アイチョイスでは生活雑貨カタログ「キャロット(※)」で取り扱っていますよ。
※タイミングにより取り扱いがない場合があります。
ステップ2:必要な道具を揃える
植え付け後には野菜の生育に合わせて下記の道具が必要です。
- 肥料
- 支柱・麻ひも
- 収穫ハサミ
肥料入りの培養土を購入しても、収穫までの量は足りないことが多いので、2週間~1か月に1度は野菜の生長に合わせて追肥が必要です。
肥料は大きく分けると有機質肥料と化学肥料に分類されます。
有機質肥料は土の微生物によって分解され、植物が吸収できる形になるため、散布後すぐに効果が見られません。
効果が緩やかに持続する点や、微量ながらも植物の生長に必要なマンガン、鉄などの微量要素が含まれているのが特徴です。
生物由来ではない、鉱物などを化学的に合成したものが化学肥料。
散布しやすい形に加工され、においも少なく、即効性があるので、プランター栽培で人気の肥料なんです。
支柱や麻ひもは、背丈が高くなるトマトやなすなどの夏野菜で必要なことが多いく、実の重みで樹が倒れないよう、支える役割があります。
収穫時にはハサミも必要なのでお忘れなく。
ステップ3:プランターに土を入れる
プランターに土を入れる前に、底を確認し、穴が空いているタイプの場合は、鉢底ネットを敷きましょう。
土が流れ出るのを防ぐだけでなく、排水性と通気性をよくすることで、根腐れを予防する効果があります。
初心者はあらかじめ基本的な肥料が混ざっている培養土を使用すれば、自分で配合することなくすぐに使えるのでおすすめです。
土は満タンになるまで入れるのはなく、プランターの縁から3cmくらい下まで入れてください。
このすき間は「ウォータースペース」と呼ばれ、水やりの際に一時的に水を溜める役割があります。
「ウォータースペース」を確保しないと、水やりの際に土や水があふれ出てしまうので気を付けてくださいね。
ステップ4:種まき・苗植え
種まきで重要なのは、適期にまくことです。
野菜の品種ごとに「発芽適温」と呼ばれる芽を出すために適した温度があります。
この時期を外すと、芽が出なかったり、発芽率が低くなったりする可能性が。
袋の裏に記載されているので必ず確認してくださいね。
種まき後に気を付けたいのが、水やりです。
勢いよく水やると種が流れてしまい、偏ってしまうことがあるので、やさしく水やりをしましょう。
苗を植えるときに気を付けたいのが、根を傷めないようにすることです。
ポットと同じくらいの穴を掘り、ポットから苗を出し、根を崩さずにそのままの形で植えてください。
ステップ5:水やり・肥料
水やりの基本は1日1回午前中ですが、土の様子を見て調整が必要です。
水やりは葉や花にかけるのではなく、土にかけましょう。
葉にかかると太陽の光が水滴に集まってしまい、葉が焼けてしまうことも。
また、葉が大きいと水をはじいてしまい、土にかからないこともあるります。
パパっと済ませずに、丁寧に水やりをしてくださいね。
プランター栽培で気を付けたいのは、適度な追肥。
畑と比較して、プランター栽培は肥料が流れやすい傾向にあります。
肥料袋の裏に記載がある追肥量を確認し、根元ではなく、なるべく離れたところに散布するように心がけてください。
植物の根は先端から栄養を吸収する性質があるので、プランターの縁のほうにまくのが効果的です。
さらに肥料を土で覆っておくと効率よく吸収されます。
ステップ6:病気・害虫対策
プランター栽培は畑と比較すると、あまり病害虫の被害は出にくいといわれていますが、毎日の観察が重要なポイントです。
初期に被害を見つけられれば、虫を捕獲したり、病気の葉のみを撤去することが可能。
また、日当たりが悪く、じめじめとした環境だと病気にかかりやすいので、風通しのよい場所にプランターを置くことで予防するのもおすすめです。
防虫ネットを使用することで、物理的に害虫の侵入を防ぐこともできます。
アーチ状に支柱を設置し、すき間のないようにかぶせるのがポイントです。
気づかないうちにすき間から害虫が侵入すると、虫かごのような状態になってしまい、被害が拡大する恐れがあるので気を付けてください。
ステップ7:収穫
収穫のタイミングは野菜ごとにポイントがあります。
収穫が遅れると野菜の風味が落ちたり、固くなったりするので、適期に収穫するように心がけてくださいね。
収穫する時間にも大事なポイントがあります。
トマトやきゅうりなどの実野菜は早朝、小松菜やほうれん草などの葉物野菜は夕方に収穫するのがおすすめ。
これは植物の光合成のメカニズムによるもので、日中は太陽の光を浴びて糖分を作り出し、えぐみの元になる窒素の供給はストップしています。
なので、葉物野菜は夕方に収穫するのが向いているのです。
逆に夜は光合成がストップし、窒素を吸収して葉に溜め込む一方、果実は甘みが凝縮されるので、早朝に収穫するのがおすすめ。
初心者がプランター家庭菜園で気を付けるべきこと4つ
栽培しやすい野菜を選ぼう
野菜によって家庭菜園で育てる難易度が違うので、まずは栽培しやすい野菜から始めましょう。
栽培しやすい野菜の特徴は、1本の株から何個も収穫できるもの。
ピーマン、ミニトマト、きゅうりなどの夏野菜は収穫量が多く、虫の被害が出ても、虫が付いた実だけを処分すればいいので、一つも収穫できないなんてことにはなりません。
その他には暑さに強いオクラもおすすめ。
また、季節を問わず栽培できる野菜もおすすめです。
ラディッシュや小松菜、ほうれん草は真冬以外の栽培が可能なので、いつでも栽培しやすいという特徴があります。
栽培しにくい野菜は、とうもろこしや白菜、キャベツなどの虫の被害に遭いやすい野菜。
防虫ネットで対策するなど手間がかかります。
なすは栽培中の管理が難しく、剪定の仕方を間違えるとあまり収穫できずに終わってしまうことも。
徐々に難易度の高い野菜に挑戦することがプランター栽培成功の秘訣です。
コンパニオンプランツで病害虫を防ぐ
コンパニオンプランツとは、異なる種類の野菜や花を近くに植えることで、病害虫の被害を抑えられたり、お互いの成長を助けたりする組み合わせのこと。
化学農薬を使わない有機栽培でも活用しやすい方法です。
次のような組み合わせがあります。
- トマト×バジル
- なす×マリーゴールド
- きゅうり×ねぎ
- キャベツ×レタス
たとえば、トマトとバジル。
香りの強いバジルはトマトに付きやすいアブラムシやコナジラミなどの害虫を遠ざける効果があります。
さらに、トマトは水が少ない環境で栽培すると甘みが増す一方、バジルは水を好むので、一緒に植えることで土中の水分がうまく調節されるのです。
プランター内に一緒に植えるだけで効果を発揮できるので、初心者でも簡単に取り組めますよ。
プランターは水が乾きやすいので注意
プランターで家庭菜園をするときに注意することは水やりの頻度。
プランターでの栽培は、畑よりも土が乾きやすいので、雨天以外は水やりが必須です。
プランターを置く場所によりますが、基本は1日1回午前中に水やりを行います。
翌日、土の表面が乾いていれば水をあげましょう。
乾いていなければ、水やりは必要ありません。
水のやりすぎは、根が腐る原因にもなるので、土を見ながら頻度を調整してくださいね。
野菜によって必要な肥料をあげよう
窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)は肥料の3大要素と呼ばれ、植物の成長に必要な栄養素だといわれています。
植物が最も必要とする窒素(N)は植物のタンパク質や葉緑素を作り、葉や茎を大きくするのに必要な栄養素です。
花や実の付きをよくするのがリン酸(P)。
実肥と呼ばれ、実を収穫する夏野菜では欠かせません。
根肥と呼ばれるカリウム(K)は根の張りをよくし、病害虫や厳しい環境に強い株を作る効果があります。
これらの他に微量要素(※)と呼ばれる成分もありますが、葉野菜類は窒素、実を食べる果菜類はリン酸、根菜類はカリウムを重点的に与えましょう。
プランター栽培は、肥料が流出しやすいので、定期的に追肥することが順調な生育へのカギとなります。
有機栽培で育てる場合は、動植物由来の有機質肥料を選びましょう。
有機質肥料は、土中の微生物が分解することで植物が吸収できる形となるため、化学肥料と比較すると効き目が遅いです。
計画的な散布を心がけてください。
※微量要素・・・鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)など7種類の要素で、必要量は少ないが植物の生育に不可欠なもの。
プランター家庭菜園で育てるおすすめ野菜の植え付けスケジュール【初心者必見】
家庭菜園で育てられる栽培カレンダーがこちら。
購入する品種や栽培する地域により前後しますが、野菜には種まきや定植(苗の植え付け)に適した時期があります。
早すぎたり遅すぎたりすると、発芽しなかったり順調に生長しなかったりするので、こちらのスケジュールを参考にして、適期に栽培をスタートさせてください。
プランター家庭菜園の初心者からのよくある質問
初心者でもできるプランター野菜は?
もえぞー
ほったらかしでも育つ野菜は?
じゃがいもやしそなどがおすすめ。
イモ類は植え付けてから収穫までに必要な作業が少ないので、家庭菜園でも人気の野菜です。
しそは日当たりのいい場所だけでなく、半日陰の場所でも育つ生命力の高い野菜なので、ほったらかしでもすくすくと成長するでしょう。
もえぞー
家庭菜園で虫が付きにくい野菜は?
リーフレタスやニラがおすすめ。
キク科やユリ科の野菜は特有の香りがあり、虫が付きにくいといわれています。
もえぞー
家庭菜園は何から始めれば良いですか?
育てたい野菜を決め、必要な道具を揃えましょう。
野菜によって植え付け時期が異なります。
種袋の裏に栽培可能な時期が記載されているので確認してください。
苗は植え付け時期に合わせて販売されているので、問題ありません。
もえぞー
初心者にもおすすめのプランターで有機家庭菜園に挑戦しよう!
家庭菜園はプランターを置くスペースがあれば、初心者でもチャレンジできるのが魅力のひとつ。
マンションやアパートに住んでいる人でも野菜の栽培が簡単にできます。
有機栽培に挑戦したい方は、今回紹介したいくつかのポイントを参考にしてくださいね。
とくに4~6月は家庭菜園でプランター栽培を始めるのに一番適したタイミングです。
初心者でも簡単にできる野菜が多く、栽培しやすい野菜として紹介したピーマン、ミニトマト、きゅうりなどの定植時期でもあります。
ぜひ今年の春からプランター栽培を始めてみませんか。
自分で育てた野菜は特別なおいしさを感じること間違いなしです。
次回は家庭菜園初心者でも育てやすい野菜について紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
※有機栽培を販売する場合には「有機JAS認証資格」を得る必要があります。
今回紹介した内容は、販売用ではなくあくまでご自宅で有機栽培を楽しんでいただく方法です。ご注意ください。
編集担当もえぞー
2022年アイチョイス入協、30代、夫と2人暮らし。
家庭菜園歴8年目で現在、有機栽培に挑戦中です!
前職では農家さんを相手に野菜の栽培指導をしていました。
ナッツは塩茹でした落花生が大好き♪
トマトやピーマン、しそなどの夏野菜がおすすめです。
収穫量が多く、虫の被害が出てもその実を処分するだけなので、量を確保できます。
ラディッシュや小松菜、ほうれん草はほぼ通年で栽培可能。
時期を選ばないのがおすすめポイントです。